習慣になった〈考え方〉は身体に刻み込まれます。それは「何を考えているか?」という内容ではなく「どのように考えているか?」つまり「どの五感をいつ使っているか」が言動に現れます。
サインの傾向を読み解く観察方法を理解しておくと、あなたが伝えたいことも伝えやすく、また相手の伝えたいことも受け取りやすくなります。スムーズなコミュニケーションに役立つ知識の1つが身体が発してくれるサインの読み解き方を知ることです。
考え方が言動に現れる
〈百聞は一見にしかず〉ということわざがあります。
私たちが「見る」とき、ものすごい量の情報を受け取っています。見る対象(人?自然?出来事?)により、その観察方法は異なりますが、社会の中で生きる私たちにとって「人」をどのようにみるかはとても重要です。その人の行動習慣が体調や体型に現れるように、その人の思考習慣は、振る舞いや話し方、言葉に現れます。
人の目の動き、声のトーンとテンポ、身体の姿勢、ジェスチャー、呼吸のパターンなどに現れる微細な振る舞い(行動や反応)は、行動を起こす引き金になるとともに、人が物事を考える時にどの五感(視覚・聴覚・身体感覚)を使っているかを表現しています。
人が〈どのように考えているか〉に関する手がかりを教えてくれる一般化された傾向のことを、アクセシング・キュー(アクセスのサイン)といいます。
アクセシング・キューの特徴
アクセシング・キューは、「どのように考えているか(How)」に関する手がかりを教えてくれますが「具体的に何について考えているか(What)」ではありません。
またこれらは一般化された傾向なので、すべての人、状況において当てはまるわけではありませんが手がかりを知るにはとても役立ちます。
各感覚とそのサイン一覧
視覚 | 聴覚 | 身体感覚 | |
姿勢・ボディランゲージ | ・身体に緊張感がある ・首が伸びている ・痩せ型 ・身振りは目線より上の高さ | ・中肉中背 ・リズミカルに動く ・思考中は頭を傾ける ・身振りは頭辺りの高さ | ・丸みのある肩 ・身体はリラックス ・身振りはお腹辺りの高さ |
呼吸のパターン | ・高く、浅い ・胸の高い位置で呼吸 | ・胸の中間あたりで呼吸 | ・お腹辺りからの深い呼吸 |
声の調子とテンポ | ・はっきりした声の調子 ・話すテンポは早い ・声は高い | ・中位のペース ・基調リズムがある ・メロディのような響き | ・低い声 ・深い調子 ・間がある ・ゆっくりしたペース |
目の動き | ・視点が定まっていない or ・視線が右上/左上に向く | 目線が左右に動く | 目線が下向き |
言葉 | 見る 観る 描く 示す 明らかにする 調べる etc… | 聞く 共鳴 強調する 聞き取れる 話す 響く etc… | 感じる 触る 押す 握る 創る 苦しむ etc… |
アクセシング・キューの種類
「どの五感を使っているか?」傾向がわかるサインの読み解き方3つをより詳しくご紹介します。
- 〈非言語〉から読み解く方法
- 〈目の動き〉から読み解く方法
- 〈言葉〉から読み解く方法
⑴ 〈非言語〉から読み解く五感
「メラビアンの法則」という、コミュニケーションにおいて言語よりも非言語メッセージの方が影響力が大きいということを示した心理学的な法則があります。非言語から、五感を読み解く方法を紹介しています。
⑵ 〈目の動き〉から読み解く五感
「目は口ほどに物を言う」という言葉があるように、目の動きは「どの五感を使って思考しているか」を教えてくれるサインとなります。
→詳細記事は近日オープン予定です♪
⑶ 〈言葉〉から読み解く五感
人の思考は言葉に現れます。感覚を基本とした言葉には様々なものがあります。