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どうやって理解してる?【脳のフィルター】全3機能まとめ

私たちは日々、さまざまな出来事を経験していますが覚えていることもあれば、すぐに忘れてしまうこともありますよね。また「分かりやすい!」と思うこともあれば「何回聞いてもよく分からないな」と感じた経験、あるのではないでしょうか。

私たちが言葉を使って情報を処理するとき、実は3つのフィルターが働いていて、このフィルターが情報を処理し意味を与える際に、とってもに重要な役割を果たしていのです。

この記事ではその「脳のフィルター機能」を3つご紹介します。これらのプロセスをを知ることは、認知バイアスに気づく、自分の思考の癖やコミュニケーションの癖に気づくことをサポートしてくれるので、その工夫や改善に大いに役立ちます。

脳のフィルタリング機能とは?

私たちは、毎瞬、毎秒、たくさんの刺激や情報に触れていて、受け取った情報のすべてを同じように処理することができません。また一度に受け取ることができる情報量には限りがあります。そのため脳は受け取った情報を必要な情報と不必要な情報に自動で分類し、必要な情報のみを処理します。これを脳のフィルタリング機能と言います。

脳のフィルタリング機能:3つ

脳のフィルタリングの仕組みを知るために「一般化」「歪曲」「省略」という3つの機能をご紹介します。

一般化(Generalization)

一般化フィルターとは、自身の経験や情報から、パターン化やルール化するフィルターのこと。

一般化フィルターのメリット

情報を整理し類似点を見つけることができると迅速に判断することができます。一般化フィルターは、新しい状況に対して素早く適応することを可能にしてくれます。このプロセスは、過去の経験をもとに新しい状況や情報を素早く理解し、未来を予測するために大切な機能です。

一般化フィルターの注意点

一般化フィルターが不適切に働くと、不要な思い込みや考えを生じさせることがあります。

例えば、ある失敗を経験した場合「同じ失敗が再び起こる」という一般化してしまうことで、過剰な不安や恐れを引き起こし自分の行動を制限し可能性を狭めてしまう場合があります。しかし全く同じ状況が起こることはないためそれは杞憂に過ぎないことの方が多いのです。過剰な一般化は、不適切な判断や予測を引き起こし問題を悪化させることがあります。

一般化 | Generalization 一般化とは、新しい状況に効果的に適応するために、過去の経験や学習を元に共通点を見つけ出すことができる脳の働きの1つ。 名称一般化...

歪曲(Distortion)

歪曲フィルターとは、これまでの経験による自分自身の信念や価値観、自分が思う常識をもとに情報を無意識に変形させるフィルターのこと。

歪曲フィルターのメリット

自身の経験や信念・価値観に合わせて情報や状況を解釈することを可能にします。

歪曲フィルターの注意点

歪曲フィルターが不適切に働くと、事実を自分にとって都合の良いように解釈したり、情報を歪曲して捉えたりすることが起こるため注意が必要です。

例えば、失敗を経験した場合、その失敗を「自分の責任」にしすぎることがあるかもしれません。しかし、実際にはその失敗の原因がたった1つだけということはありません。さまざまな要因が重なって起こることがほとんどです。そのため適切な判断をすることが重要です。過剰な歪曲は、現実と乖離した思考や行動を引き起こし、自己評価や自己認識を悪化させることがあります。

歪曲 | Distortion 歪曲とは、私たちの体験を歪ませる、内的な情報処理プロセスのこと。 歪曲は、私たちの情報処理に欠かせません。体験を歪曲することで、...

省略(Deletion)

省略フィルターとは、情報を処理する際にその一部を省略するフィルターのこと。

省略フィルターのメリット

不要な情報を取り除くことで必要な情報に集中することができます。これにより効率的に情報を処理し、迅速な反応や判断を行うことができます。

省略フィルターの注意点

省略フィルターが不適切に働くと、意識の中から不要な情報を自動で取り除いてしまい重要な情報を見逃すことがあります。また見落とされた情報があることで誤った判断や、偏見につながることもあります

例えば、うまく行かなかったことがある場合に「自分は悪くない」という前提があることで自分に関する視点が省略されてしまい、誤った判断や、改善ができない場合があります。複数の視点から情報を集め抜け漏れがないか確認する工夫が大切です。

省略 | Deletion 省略とは、特定の側面に注目し他のことに注意が向かなかったときに発生する、内的情報処理プロセスの1つ。 私たちの外部には膨大すぎる...

まとめ

一般化、歪曲、省略という3つのフィルター機能は、私たちが言語的な情報を処理する際にとても重要な役割を果たします。

  1. 一般化は、膨大な情報の中から共通のパターンや法則を見出すことで、私たちは新しい情報を理解し、未来を予測することができます。
  2. 歪曲は、私たちの経験や信念に基づいて情報を解釈するため、不正確な情報の表現が生じることがあります。
  3. 省略は、情報過多になった際に本質的に重要な情報に焦点を合わせるために、情報を無視することです。

これらのフィルター機能を理解し、活用することで、効果的なコミュニケーションや自己成長、人間関係の構築に役立てることができます。私たちがまわりの情報にスムーズに適応するために必要な機能ですが時には問題を引き起こすこともあります。

このフィルター機能と上手に付き合っていくことは、よりよい人生を実現するための大切な要素です。ぜひ自分自身のフィルター機能について意識してみてください!

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