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ミルトンモデル | Milton Model

ミルトンモデルとは、人がコミュニケーションの中で、その人自身にとってもっとも適切な意味を受け取ることができるように、あえてあいまいに表現するための言葉の使い方(言語パターン)のこと。

名称ミルトンモデル
意味意図的に曖昧に表現するための言葉の使い方
英語Milton Model
Milton=ミルトン・エリクソンという世界的に著名な精神科医・心理学者
Model=モデル

ミルトン・モデルとは?

私たちは困難や問題に向かうときも、目標や目的に向かうときも、より多くの選択肢がある方がその実現がカンタンになります。選択肢を多く持つためのアプローチはたくさんありますが、ミルトン・モデルは、私たちの考え方や物の捉え方に、柔軟性と広がりを持たせることができる言葉の使い方(言語パターン)を体系化したものです。

具体的には、私たちの無意識の領域にアプローチするために、トランス状態(内側に意識を向けて、無意識から学ぼうとする状態)へと誘うことで、選択肢を増やします。私たちの無意識の領域にある知識や情報を活用できるようにするアプローチ方法の1つとも言えます。

ミルトンモデルの目的

ミルトンモデルの言語パターンは以下のために使われます。

  1. 相手の現実にペースを合わせリードするため(リラックス状態に入りやすくするため)
  2. 意識をそらして、応用するため(トランス)
  3. 無意識と(過去の経験から)リソースを活用するため(TDサーチ)

ミルトン・モデルのパターン

省略

  • 単純省略
  • 不特定指示指標
  • 不特定動詞
  • 比較
  • 判断

歪曲

  • 等価の複合観念
  • 読心術
  • 名詞化
  • 因果
  • 前提

一般化

  • 普遍的数量詞
  • 必要性の叙法助動詞
  • 可能性の叙法助動詞

ミルトン・モデルの概要

直接的にトランス状態へとリードする方法

言葉によるあいまいさへの誘導で大切なポイントの1つが前提を用いること。

(a) 時間に関して前提を入れる【時間の従属節】

〜の前に、〜の後に、〜の間、〜なので、〜のとき、〜している間など

(b) 順番に関して前提を入れる【序数】

最初に、1番目に、まずは、他に、など

(c) 選択肢に前提を入れる

与えられた選択肢+さもなくば、あるいは、または を追加する

(d) 気づいていることについての前提【気づきの叙述】

知っている、気づく、注意する、意識する、悟るなど

(e) 副詞・形容の前提

深く、ゆっくりと、カンタンになどの副詞や形容詞を文中に入れることでそれを前提とする

(f) 時間に関する前提

始まる、終わる、止める、続ける、すでに、もうなど

(g) 形容詞的な前提

幸運にも、運よく、無邪気に、必然的に、喜んでなど

間接的にトランス状態にリードする方法

間接的に特定の反応を得るのに役立つパターンもある

(a)文中に誘導メッセージを埋め込む【埋め込まれた命令】

大きい文の中に、命令や質問を埋め込むことで、聞き手は気づかずにそれらの命令や質問を自然に受け取る

ex.あなたはリラックスすることが出来ます

(b)文中に質問を埋め込む【埋め込まれた質問】

ex.「今って何時かなぁ」

(c)非言語的なアプローチ【アナログマーキング】

声のトーン、リズム、強弱、姿勢、動作などの非言語的な側面から、メッセージを伝えてトランス状態へリードする

(d)あえて「〜しないでください」と否定で述べる【否定的な命令】

「〜しないでください」と言われると人はやりたくなる。

ex.あまり自分の長所について考えないでください

(e)会話の中で、質問以上の答えを引き出す【会話的な仮定】

Yes/Noで答えられる質問内容であるにも関わらず、Yes/No以上の反応(答え)を引き出し得る

ex.「今って何時だか分かりますか?」→「はい、今15時ですよ。」

あいまいさ

(a) 音のあいまいさ【音声学的あいまいさ】

同じ音だけど、異なる意味を持っている言葉を使うことが、聞き手の理解を促す場合がある。

  • 効く/聞く/菊
  • 泣く/鳴く/無く
  • 核心/確信/革新
  • 放す/話す/離す
    →あなたが自分の問題をはなす(話す/放す)ことはカンタンです。それをはなす(話す/放す)ことで心が軽くなることを実感するでしょう。

(b) 【範囲のあいまいさ】

ex.あなたはその経験の中に入っていける。そしてそこから自分の強みや魅力を見つけ出せることをあなたは知っています。

「知っている」が、どこの範囲にかかっているのかがあいまいです。
〈a〉文章全体について知っているのか〈b〉「そして」以降の部分について知っているのか。〈a〉ならば文章全体が前提となります。

(d) 区切りのあいまいさ【句読点のあいまいさ】

「あなたの上着はとてもゆったりとして、深くリラックスしていきます」

  • あなたの上着はとてもゆったりとしている
  • ゆったりと、深くリラックスしていく

この2つの文章が「ゆったり」という言葉であいまいに繋がり2重の意味を持っています。それにより聞き手は、その意味を勝手に解釈しようとする働きが生まれます。

メタファーでトランス状態にリードする方法

(a) 選択的な制限違反

現実的にはありえない(制限に違反している)話をすることで、聞き手が勝手にそこに意味づけをする。これは意識的なものではなく、言われたことを理解する自動的な方法です。

ex.ドアが痛いよ。→ドアを丁寧に閉めようと思う。

(b) 引用

誰かの言葉を引用でも人はそのメッセージに反応します。

関連

ワーク

ミルトンモデル(ワークスクリプト資料)

キーワード

  • メタモデル(ミルトンモデルは、メタモデルと対になる言語パターン)
  • ペーシング(ミルトンモデルとは、相手の現実にペーシングするスキルの1つ)
  • ダウンタイム(ミルトンモデルは、相手をダウンタイムの状態に保つ)
  • リフレーム(隠喩=リフレームとして活用される)