デフォルトモードネットワークとは、私たちがぼんやりとしている時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターン、状態のこと。
名称 | デフォルト・モード・ネットワーク |
意味 | ぼんやりとしている時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターン、状態 |
英語 | Default Mode Network |
英訳 | Default Mode=標準、基本 ,Network=ネットワーク |
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?
デフォルト・モード・ネットワークとは私たちがぼんやりとしている時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターン、状態のこと。
この働きをうまく取り入れることで創造性が高められる可能性があることや脳疲労を防ぐポイントなどに影響・関係していることが研究により明らかになってきています。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の特徴
何もしない時にだけ活発になる
「何もしない安静時にだけ活発になる」脳の領域が複数存在し、それらは互いに同期することが明らかになり、これをデフォルト・モード・ネットワークと呼びます。
この状態の時の脳は、意識的な反応(話をする、本を読む、考えるなど)に使われる脳エネルギーの20倍にも達すると言われています。また脳の消費エネルギーの60~80%を占めるとも言われています。
脳のアイドリング状態
デフォルト・モード・ネットワークは自動車の「アイドリング状態」に例えられます。
車は、エンジンをOFFにしてしまうと再び発車させるのに時間もエネルギーもかかります。しかしエンジンはONのまま停止しているというアイドリング状態だったら「アクセルを踏む」だけですぐに動き出すことができます。
脳の状態を大きく2つに分けると下記のように表すことができます。
- 脳が活発に活動するとき
=考え事をしているとき:DMNが非活性な状態 - 脳がアイドリング状態のとき
=何もせずぼーっとしているとき:DMNが活性化している状態
この②の状態のことをデフォルト・モード・ネットワークと言います。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の役割
デフォルト・モード・ネットワークの状態のとき、脳内で行われていることは
- 情報の整理
- 自身の振り返り
と考えられています。
インプット情報を整理する役割
脳の情報処理プロセスには3ステップあります。
- 入力:五感を通じて、外からの情報をインプットする
- 整理:インプットされた情報を、取捨選択しながら整理する
- 出力:言葉や行動、振る舞いとしてアウトプットする
デフォルト・モード・ネットワークが関係するのは②の整理ステップです。
適切だと情報活用と、結びつきを作る
デフォルト・モード・ネットワークの働きが【適切】だと、情報整理がうまくできて頭がスッキリします。適度な状態とは「ある一定時間/期間、意図的にぼ〜っとする時間を取る」ときです。情報整理がされることで、蓄えられている情報が活用しやすくなる、それぞれの情報も結びつきやすくなるため新しいアイデアが生まれる、創造性が高まると考えられています。(「ぼんやりしているときに、ひらめく!」というのはまさにデフォルト・モード・ネットワークの働きです。)
過度だと脳疲労の原因にもなり得る
デフォルト・モード・ネットワークの働きが【過度】だと、「脳疲労」の原因になる可能性があります。過度な状態とは「ぼ〜っとする時間が長すぎる/暇すぎる」ときです。なぜならデフォルト・モード・ネットワークは脳の消費エネルギーの60~80%を占めるとも言われているため、その状態に長くいることにより疲労につながります。
不足しているとカオス状態に
デフォルト・モード・ネットワークの働きが【弱い・不足している】と、頭の中がぐちゃぐちゃな状態に陥りやすくなります。不足している状態とは「ぼ〜っとする時間がまったく取れない」ときなどです。ぼ〜っとする時間がないと、インプットに対して脳内の情報整理が追いつかない状況が起こります。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)のメリット&デメリット
メリット
いい感じにぼ〜っとしているアイドリング状態では
- 頭がスッキリする、クリアになる
- 課題解決や、目標実現のための道筋が得られやすくなる
- 創造性が高まる
- アイデアが生まれやすい
- リラックスできる
というメリットがあります。
デメリット
ぼ〜っとしすぎてしまうと
- 注意力散漫になる
- ネガティブ思考/反芻思考になりやすい(余計なことを考えすぎてしまうため)
- 脳疲労を起こしやすい(DMNは消費エネルギーが大きいため)
というデメリットがあります。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の活用
デフォルト・モード・ネットワークをうまく活用するにはさまざまなアプローチが可能です。適度に、ぼ〜っとする時間や機会を作ることが大切です。
- マインドルフネス
- 瞑想を行う
- デジタルデトックス(パソコン、スマートフォン、タブレットなどに触れない)する
- 何も考えずに過ごす時間を作る(コーヒーを飲む、お風呂に入る)
- 単純作業をする(野菜を切る、リズミカルに散歩するなど。動的瞑想)
- 短時間の昼寝
関連
用語
RAS