ちょっと思い出してみてください。
最近のお休みは何をしましたか?
最初に思い出したことはなんでしょうか?
絵ですか?音ですか?それとも感覚でしたか?
私は行った場所の「風景」が浮かんできました。もしかするとその日の朝に聞いた「音楽の音色」かもしれません。その日に過ごした時に感じたぽかぽかした「身体の感覚」かもしれません。あなたは一番最初に何を思い出しましたか?
〈思い出す〉ときの仕組み
記憶を呼び起こす時、五感の使い方は人それぞれ異なります。これはどの五感を使うのがいい、悪いということではなく、あなたはあなただけの方法で五感をフル活用しています。ポイントは自分の五感の使い方に気づき、それをうまく活用すると望む結果が出しやすくなったり、自分を表現しやすくなるという点です。
私は学生時代、試験で「このページの、ここにあったやつ」というように絵(写真)で思い出していました。当時はたまたま効果的に使えていたのですが五感の使い方について理解した時「もっと早く知りたかった〜〜!」と悔やんだものです。すでに持っている五感の特徴を使ってもっと簡単に、もっと楽に、短時間で学べ、思い出せ、活かせることができるんじゃん!と。今では仕事、新しい挑戦、遊び、創作などあらゆることにこれらの五感の使い方を活用しています。
あなたは記憶を〈思い出す〉とき、どの五感を優先的に使っているでしょうか。それを知ることはあなた自身の能力開発にとても役立ちます。
思い出す時に使われる感覚
私たちは〈思い出す〉時にも五感を使っています。視覚・聴覚・身体感覚・嗅覚・味覚の五感の中でも多くの人が思い出す時に使っている主要な感覚は
- 視覚(Vision)
- 聴覚(Auditory)
- 身体感覚(Kinesthetics)
の3つです。
優先的に使う五感の存在
過去のことを思い出そうとするとき「どのように」記憶を呼び起こしているか…これまで意識したことはありますか?私たちは〈思い出す〉時にも五感を使っていますが、どの感覚を、どのように使っているか、実は人それぞれ違います。
思い出す時に、記憶を呼び起こすために使っている五感のことをリードシステム(導く五感)と言います。
あなたが思い出す時に使っている五感は何でしょうか?
リードシステムの特徴
リードシステムには6つの特徴があります。
- 最初の引き金がどの五感かがポイント
- 優先的に使っている五感がある
- いつも、必ず、同じではない
- 外からの情報がトリガーとなることもある
- 五感は結びついていたり、シフトしていく
- 何を思い出すか?は選べない
最初の引き金がどの五感かがポイント
その記憶を思い出した(呼び起こした)一番最初の引き金となっている五感が何かがポイントです。
優先的に使っている五感がある
多くの場合、記憶を呼び起こす時には傾向があり同じ五感が優先的に使われています。
いつも、必ず、同じではない
ただ、必ずいつも同じ五感が記憶を呼び起こす際に使われているわけではありません。
楽しい経験は視覚を、苦しい経験は身体感覚がトリガーになっているかもしれません。小さい頃の出来事は聴覚を、大人になってからの出来事は視覚から思い出させるかもしれません。
思い出す時の五感の使い方の傾向を知っておくことが役立ちます。
外からの情報がトリガーとなることもある
ある風景を見て以前の出来事を思い出したり、ある言葉を耳にしたことで思い出す人がいたり、特定の匂いがふわっと香ることである場面を思い出す…そんな経験もあるかもしれません。
このように外からの刺激によって自動的に過去の記憶を思い出すこともありますね。
五感は結びついていたり、シフトしていく
思い出す時の最初のトリガーとなる五感をリードシステムとして紹介してきましたが、感覚は結びついていたり、他の五感へとシフトして行きます。
ある場面を思い出すと、思い出し笑いをしてしまう。という時に起こっているのは視覚がトリガーとなり、すぐに身体感覚へと感覚がシフトして行ったということです。
何を思い出すか?は選べない
リードシステムは、その五感への刺激をきっかけに「良かったこと」を思い出させてくれることもあれば「悪かったこと」を思い出させるきっかけにもなります。
脳には私たちが持つ「いい/悪い」という価値判断は持ち合わせていません。ただシンプルに「ある五感への刺激」があると「それに関することを思い出させる」という仕組みがあるだけです。この仕組みを、いい方向に活用することも、悪い方へ向かうのを防ぐことにも使うことができます。
変えられること/変えれないこと
変えられないこと
リードシステムの働きにより「ある刺激」によって記憶が呼び起こされるという脳の仕組みは変えることができません。
変えられること
リードシステムを知ることによって
- よいことを引き出すリードシステムをより活用する
- 悪いことを引き出すリードシステムはその対処をする
という部分は、私たちが行動・選択を変えることで望む状態へ自分を導くことを可能にしてくれます。
リードシステムの活用方法
リードシステムを活かして学ぶ
- 視覚の場合:写真・絵・図を見ながら学ぶと思い出しやすい
- 聴覚の場合:音、音声、言葉で学ぶと思い出しやすい
- 身体感覚の場合:身体を動かしながら学ぶと思い出しやすい
リードシステムを活かしてよい状態をつくる
自分のリードシステムに関する刺激を与え、目的の状態を引き出すことに使えます。望ましい状態へ導くために「最初の一滴」を垂らしてあげればいいということがわかります。
- 視覚の場合:ex.「好きな風景写真を見る」ことをトリガーにリラックス状態を引き出す
- 聴覚の場合:ex.「好きな音楽を聴く」ことでリラックス状態を引き出す
- 身体感覚の場合:ex.「好きな肌触りの布団にくるまる」ことでリラックス状態を引き出す
マイレシピ作りがオススメ!
いい状態にしてくれるあなただけのレシピ集を作っておくことオススメです!
- リラックスのためのレシピ集
- リフレッシュのためのレシピ集
- 集中のためのレシピ集
→マイレシピの作り方も今後、アップ予定です♪
リードシステムを活かして悪い状態になることを防ぐ
自分が望まない状態になる時に「何がトリガーになっているか?」がわかると避けることができます。
- 視覚の場合:ex.「昆虫を見る」と嫌な出来事を思い出すから避ける
- 聴覚の場合:ex.「怒鳴り声」を聞くと身体が緊張するから避ける
- 身体感覚の場合:ex.「グリーンピースの食感」が不快な感覚を思い出させるから避ける
アンチタグリスト作りがオススメ!
「これは悪い思い出を引き出すトリガーだな」と気づいたことはどんどんリストアップしておくといいですよ!
- 環境のアンチタグ(NG)リスト
- 言葉のアンチタグ(NG)リスト
→アンチタグリストの作り方も今後、アップ予定です♪
あなたが〈学ぶ〉ときに活用するといい感覚はどれでしょうか?今すぐにできる、新しい学び方があるとしたらそれはどんなことでしょうか?
このリードシステムの考え方は、子育て、人材育成、マネージメントにもとても有効です。
あなたのお子さんのリードシステムを知ることで、その子の学びをより伸びやかに育てるサポートができるでしょう。部下やメンバーのリードシステムを理解することで、彼らの得意なやり方で効果的に結果を出す方法のアドバイスができるようになるでしょう。
そして何よりリードシステムの活用は、あなた自身の才能をより発揮させ、物事に柔軟に対応して行くことを可能にしてくれるでしょう。
まとめ
私たちが記憶を呼び起こす時にも、五感がトリガーとなっています。そしてこのトリガーとなる五感のことをリードシステムと呼ばれることもご紹介しました。リードシステムには6つの特徴がありました。
- 最初の引き金がどの五感かがポイント
- 優先的に使っている五感がある
- いつも、必ず、同じではない
- 外からの情報がトリガーとなることもある
- 五感は結びついていたり、シフトしていく
- 何を思い出すか?は選べない
リードシステムとは何かを理解することは、あなたのみならず周りの方の能力開発をサポートすることにも繋がります。
リードシステムの、より具体的な活用方法についてなど、今後も関連記事をアップする予定です。ぜひ楽しみにお待ちください♪