パートとは、誰もが持つ人格のさまざまな側面のこと。
名称 | パート |
意味 | 心にあるさまざまなキャラクター |
英語 | Part |
訳 | 一部・部分 |
パートとは?
私たちはさまざまな側面・キャラクターを持った集合体で、この個々のキャラクターを人格に例えたものをパートと言います。
私たちは「あぁ、あれやらなきゃいけないな」と考えながらも「あ〜ゆっくりしたい。」とも考えます。「でもしっかりやらなきゃダメ!」とか「まぁ、なるようになるさ」「すぐやっちゃおう…」etc..さまざまな思考がめぐり、異なる自分が顔を出します。
このように、私たちはさまざまな側面・キャラクターを持った集合体で、この個々のキャラクターを人格に例えたものをパートと言います。心が持つさまざまな役割を、人格を持たせたかのように扱うことで自己理解を深め、葛藤を解消させていくことを可能にします。
パートの概要
私たちは数多くの〈パート〉を持っている
1つの行動を起こすにも、さまざまな思考がめぐり異なる自分が顔を出すことがありませんか。その1つ1つが異なる目的や意図を持ったパートと考えたとき、私たちの中にはさまざまなキャラクター(パート)が同居していると言えます。私たちは数多くのパートの集合体なのです。
〈パート〉は無意識に属する
もしも意識的にすべての行動をコントロールすることができるとしたら、私たちは自分自身を難なく思い通り動かすことができているはずです。しかし現実はそうではありません。意識したままに行動できる時と、そうでない時があります。ここにパートが関係しています。
意識的なパートもあれば、無意識的なパートもあります。私たちはどうやっても辞めれない行動や、自分自身を思うように動かせなくて葛藤することがあります。このように意志の力で自分を動かせないとき、それは無意識のパートが関係している証です。
望ましくない行動を止めるのは、意識や意志の力ではありません。最も効果的な方法は、無意識に属するパートを介してアプローチすることです。
〈パート〉には意図がある
それぞれのパートは、そのパートの目的を達成させようとしています。それを意図と呼びます。
例えば「ダイエットをしたい」と思うとき、そのパートの意図は「自身を持つ」ためかもしれません。行動の背景にある意図は人それぞれ、状況によっても異なりますが、どんな行動にも意図があります。そしてその意図は、必ずポジティブなものです。
〈パート〉同士は、よく衝突する
パートのバランスは常に変わっていて、数多くのパートがあるためよく衝突します。パート同士にズレや齟齬が生まれると不一致を感じ、それが進行していくと葛藤に繋がります。この葛藤状態が継続すると悩みになります。
〈パート〉の抑圧は分断を生む
私たちは自分の考えや感情で、受け入れ難いものがあるとそれらと縁を切りたくなります。そこでそれらの考えや感情を抑圧したり、取り消そうとしたり、見て見ぬフリをしようとします。
これは「本当は貴重で価値のある自分の一部分」を切り離し抑圧しようとする選択です。私たちは数多くのパーツの集合体です。その一部を切り離すことは、自分を分断させ、自分自身そのままであることを許さないとする姿勢にもなります。
すべての考えも、感情も、扱い方を学び身につけることで、分断ではなく自身に調和させていくことができます。
〈パート〉が葛藤する際は必ずサインがある
異なる2つのパートがお互いを抑制し合ったり、傷つけようとしているとき、私たちは不一致感と停滞感を感じます。これはまさにパート同士の葛藤が起こっているサインです。
〈パート〉の統合は、調和を生む
パートにはそれぞれ意図があるとご紹介してきました。そしてこの意図は必ずポジティブなものです。つまり、各パートの意図が異なったとしても、それらすべてが調和するポイントを探すことが可能です。
自身の一部である考えや感情を、再び自分のものとして統合させ、全体で調和していくことは、自身の一致感、自己統一感の向上に繋がっています。
パートの特徴
- 誰もが数多くのパートを持っています
- パートは互いに葛藤し、抑止的に働くことが多々あります
- パート同士を調和させることは自己一致感の向上に繋がります
- パートは、自分の中にある「役割」のような存在です
パートワークの目的
パートの葛藤が起こっていることに気づいたら、それらを調和することが可能です。
- 個々のパートを統合して、ひとつの全体に統一すること
- 状況に対して、効果的に反応できる役割を作り出せるようになること
関連
ワーク
- 6ステップ・リフレーミング
- パート・パーティ
- コア・トランスフォーメーション
キーワード
- リフレーミング
- アレキサンダー・テクニーク
- 意図
- 肯定的な意図
- 行動