NLPとは、私たちの【主観的体験】を【自身の選択によって】豊かにする方法を、教えてくれる方法の1つです。
NLPとは?
NLPは時代、分野、背景や状況に関係なく「優れた結果を残した偉人たちには“どのように”それらを成し遂げたのか」その方法論を抽象度高くモデル化した実践心理学です。学習や成長を促す知識&手法集です。
NLPでは
- 主観的な体験
- 言葉の使い方
- 思考的な戦略
についての知識と、実践的な方法がまとめられています。
NLPの意味

NLPは、Neuro Linguistic Programingの略で日本語に直訳すると神経・言語・プログラミングと呼ばれています。
頭文字 | 英語 | 意味 | 概要 |
N | Neurology | 神経/精神 | どのように〈五感/神経〉を使うか |
L | Linguistic | 言語 | どのように〈言葉〉を使うか |
P | Programing | プログラミング | どのように〈プログラム〉を使うか |
NLPとは脳の取扱説明書とも言われ、成長を促進させるための知識と実践方法をまとめた実践的な心理学。五感・言葉・思考に効果的にアプローチする方法を身につけることで、学びや変化の速度を高めパフォーマンスを伸ばすことを可能にします。
NLPの成り立ち
NLPとは1970年代に創られたコミュニケーションモデルの1つ。卓越した人々をモデリングすることによって、実践的なツールや方法論が作られました。彼らが実現した偉業が「どのように」行われたか、誰にでもわかるように解明したことからNLPのモデルや、ツールが開発されています。
アカデミックな心理学とは区別され、体系的な理論というよりは実用的&実践的なコミュニケーションにおけるモデルやテクニックとしてビジネス、教育、スポーツ業界等で活用されています。
NLPとは偉人たちの成功パターン集
NLPとは何か?ということはさまざまな側面から説明することができます。
- 脳と心の取扱説明書
- スポーツ・学習・ビジネス・ヘルス(メンタル&ボディ)分野において、卓越した結果を残した人々のメンタルモデルを体系化した「成功研究」
- 他の学問分野を分析して説明するメタ学問(Bolstad,『RESOLVE 自分を変える最新心理テクニック』株式会社春秋社,2003,p11)
NLPの構造
NLPは4層から成り立っています。

4つの層とは下記の通りです。
- NLPの前提 =世界をどう捉えるか?の前提合わせ
- NLPの基礎=基盤となった研究や理論
- NLPモデル=研究・理論をシンプル化したもの
- NLPアプリケーション=実践で使えるように具体的なプロセスにしたもの
⑴ NLPの前提
NLPを活用するにあたり、効果的に結果を出すための基本となる考え方のこと。
⑵ NLPの基礎
NLPは様々な業界の先駆者たちの研究をもとに開発・発展してきています。彼らの卓越したコミュニケーションをモデリングすることから始まりました。
人物
- グレゴリー・ベイトソン:人類学者・言語学者で、サイバネティクスで知られる。
- ミルトン・エリクソン:精神科医・心理学者で、催眠療法の創始者。
- バージニア・サティア:ソーシャルワーカーで、家族療法の創始者。
- フリッツ・パールズ:精神科医・精神分析医で、ゲシュタルト療法の創始者。
学問
- 言語学
- 神経学
- コミュニケーション理論
- 精神生理学
さまざまな学問領域を参考に発展してきています。
⑶ NLPモデル
NLPでは、さまざまな先行研究や卓越した人々のモデリング研究をもとに、結果を出すための方法論を「NLPモデル」としてまとめています。
⑷ NLPアプリケーション
アプリケーションとは「活用」という意味で、NLPアプリケーションとはこれまでご紹介した前提、理論、モデルをもとに「実践で使うときに役立つものたち」のことです。テクニックやツールとなる部分です。
- 査定・診断ツール
- パターン認知のヒアリングやアンケート
- 解決レシピ
- 実現ノウハウ
が含まれます。アプリケーション数は2~300あるとも言われていて、目的(アウトカム)に合わせて組み合わせて活用することが可能です。
Point!
NLPモデルや、アプリケーション(技法やテクニック)は誰でも、カンタンに学ぶことができます。一度学び、身につけると、一生使える〈人生の礎〉となるスキルです。
また効果的な問題解決や目標実現のためには、NLPコーチングの専門家によるサポートを受けることで、2~300もあると言われる様々な技法・テクニックの中から今必要な方法を適切に選び取ることができます。
NLPの活用
NLPは、人を内面からよりよい方向に導くための知識&スキル集です。人が持つリソース(才能、スキル、経験など)への深いアクセスを可能にします。
NLPを活用する〈目的〉は、大きく分けて2つ。問題解決のためか、目的実現のために使われます。さらに活用の〈対象〉は、他者に働きかけるためにも、自分自身を変容させるためにも使うことができます。
他者に働きかける | 自身に働きかける | |
目的実現 | 効果的なコミュニケーションが取れる =相手にポジティブな変化をもたらすサポートができる | ・目標実現 ・自己実現 ・能力開発 =変化をもたらす |
問題解決 | 相手の思考プロセス理解 =相手の問題を解決に導くサポートができる | ・問題解決 ・自己変容 ・人間関係の改善 健康状態の向上 =問題の解決に導く |
NLP活用の目的
問題解決のため
- 問題解決
- 自己変容
- 人間関係の改善
- 健康状態の向上
目的実現のため
- 目標の実現
- 自己実現
- 自己開発/能力開発
NLP活用の対象
このようにNLPはさまざまな業界・分野において活用され、発展を続けています。そのためNLPアプリケーションを使う状況・目的によってその活用方法が異なります。NLPスキルを身につけることで、大きく2つの場面・目的で使うことができます。
- 他者を動かすため
- 自分を動かすため
他者を動かす
- 相手の思考プロセスを読み取れるようになる
- それにより相手に合わせたコミュニケーションができるようになる
- そうすることによって相手を援助したり、動かすことも可能になる
- 相手の非言語を読み解く方法や、感覚の鋭敏性を高める手法も含まれているため、コミュニケーションにおいて適切に対応できる力が培われる
- 相手のプログラムを書き換えることができるようになる
自分を動かす
- 自分の思考プロセスを理解できるようになる
- それにより自分自身をより効果的に動かす方法・タイミングがわかるようになる
- そうすることによって自分自身をスムーズに動かすことが可能になる
- 効果的なイメージトレーニングテクニックが豊富にあり自分を動機付けすることができる
- 優れた人たちの思考プロセスを、自分にインストールする有効な方法が確立されている(モデリング)
- 思考と行動の柔軟性を高める手法がいくつも用意されているため行動の選択肢が増え、結果望む目標の実現可能性を飛躍的に高めることができる
- 自分のプログラムを書き換えることができるようになる
NLP活用の分野・業界
NLPモデルを元にしたNLPアプリケーション活用は、現在世界各国でさまざまな業界・分野で取り入れられています。
業界
- ビジネス
- 教育
- スポーツ
- 治療
- 健康分野など
場面
- コーチング
- カウンセリング
- 心理療法
- マネジメント
- マーケティング
- セールス
- リーダーシップ
- 親子関係
- ファシリテーション
まとめ
NLPは卓越性の研究からはじまり、それを誰でも活用できるように簡略化(モデル化)されたことから生まれました。これは誰か1人の成功体験からの「成功法則」ではなく、多くの人たちの「成功の共通法則」をまとめ上げたものです。そのためNLPモデル、アプリケーションは汎用性高く活用することができるのが特徴です。
- 五感は、鍛えることができる
- 言葉からの影響は、効果的に活用することができる
- (内的情報処理の)プログラムは、最適化することができる
ということを前提にまとめられた主観的な体験、言葉の使い方、思考戦略についての実践的な知識とツールの集大成です。
人の傾向やコミュニケーションの仕組みといった「〈人間〉全般的に共通することが何か?」シンプルに理解するのに役立てることもできます。またご自身の悩みや問題解決、目標実現に使えるアプリケーションを選択しすぐに実践してみることも可能です。NLPに限らず、私たち自身の思考・心・身体の仕組みを知ること、自分のユニークさを理解し活かすために工夫することは、一生使える何よりも大切な知識とスキルです。
ただ「NLPは卓越性のモデル」集であって「幸せになるためのモデル」ではありません。あくまで自己理解、自分の天才性を発揮させるための実践的な方法論集です。自分らしいライフスタイル、生きやすい在り方を手に入れるためにはこれにプラスα、well-beingなマインドセットが重要です。戦略的スキルと、精神的スキルと両方を磨いていきましょう。