自分らしい人生づくりでは、自分がどんな強みや魅力を持っているのか？自分がどんな性格なのかを理解しておくことが大切です。
それを自覚していないままにしておくと「こうあるべき」「こうすべき」という誰かの基準に無自覚に合わせてしまい「気づいたときには自分らしさからは大きく逸れていた」ということが少なくありません。
そんなときは「そもそも自分ってどんな人だったっけ？」とあなたの強みや魅力を改めて棚卸ししてみることがオススメです。
- 好きなことを仕事にしたい
- 自分らしい人生を送りたい
強みや魅了が「ない」人はいない
これまでライフコーチとして「強みが分からない」「何もなくて」というご相談を受けてきました。ただ…さまざまな方とお会いしお話をしてきましたが「強みや魅力がない」方は１人もいませんでした。でもご本人は思い悩んでいます。なぜ「強み、魅力、長所がない」と思ってしまうのか？その原因は３つありました。
それは
- 当たり前すぎて「気づいていない」（スコトーマ）
- 自分の考えに合わないから「受け入れていない」（思い込み・心理的なブロック）
- 短所や改善点への意識が強すぎて「見えなくなっている」（フレーム）
のいずれかが原因となって「ない」と勘違いしていたのです。
いつまでもこの３つの誤りに気づかないまま「強み・魅力探し」をしてもいつまでも見つかることはありません。なぜなら自分自身が「強みや魅力」を受け入れようとしていないからです。
強みや魅力が「ない」から「身につけよう」としたことがあるかもしれませんが、それはそもそもの努力の方向性を間違えています。そもそも「ある」のにそれを活かさないで、０から別の何かを得ようとするなんてもったいなすぎるから！まずはあなた自身がすでに持っているもの、「ある」ものを見つけて行きましょう。
要注意！こんな前提持っていない？
強み・魅力を見つけるのがうまい人の特徴
強みや魅力に気づくのが上手な人、そしてそれを活かすのがうまい人の特徴は
- 人からの賞賛、承認を「強み・魅力・長所」として素直に受け入れる
- 自分について人に聞く（フィードバックを自ら受けとりに行く）
- どんな出来事もその「いい面」を見つけて自分の糧にする
です。これらの人たちが持つ前提は
- 自分が思っていることと、相手が思っていることは違うんだ
- その人がどう思っているかは、直接聞いてみないと分からない
- どんな出来事にもいい面、悪い面の両方がある
という風に考えているので、強みや魅力を見つけやすいのです。
強み・魅力が見つからない人の特徴
他人が思うあなたの強みや魅力は、「やっぱりそこってそうだよね！」と思う部分もあれば「え？そうなの！？」と驚くようなこともあるでしょう。
そして「それ、何度も聞いてるけど、そうなのかな…」と感じるものもあるかもしれません。もしもそんな考えが浮かんでいたら要注意です。それはあなた自身の考え、視点だけで判断しようとする思考癖があるかもしれません。
強みや魅力が見つからない時にネックになっている前提や行動は
- 「この人はそう言うけど、そんなこと誰でもできるでしょ」と自分でジャッジしている
- 自分について人に聞くことをしない
- 自分からの視点で、探そうとする
です。あなたが受け入れられる強みや魅力だけを活かすのは限界があると思いませんか？誰かが「すごい！」と思うことは、すべてあなたの強みで、魅力で、長所です。ぜんぶ活かしちゃいましょう！
強み・魅力を探すときのコツ
自分と他人が思う「強み」は違う
強みや魅力には大きく３パターンあります。
- 自分が思う「強み・魅力」で、【他人から見ても同じ】もの
- 他人が思う「強み・魅力」で、自分ではまったく想定していなかった【意外な観点】からのもの
- 他人が思う「強み・魅力」で、自分ではネガティブに捉えていて【受け入れ難い】もの
⑴と⑵は比較的「そうか！」と受け入れやすいですよね。ただ⑶についていくら教えてもらっても、多くの場合「そんなの大したことじゃないから」「私はそこ、嫌だから」などと心の中でつぶやき、キャンセルしていませんか？
そう１人でも「それってすごいよね。」と思ってくれたことは、すべてあなたの強みで、魅力で、長所です。
「ない」前提で探していない？
「自分には何もない」と思って探し始めると、人は自然と「ない」部分を探します。先ほども挙げたようにこれまでご一緒した方で「強みや魅力がない」方に出会ったことはありません。ただご自身では「ない」と思い込み、「ある」部分を見ようとしていない方にはたくさん出会いました。
大切なのは「ある」前提で、ある部分に焦点を当てて探すことです。
強み・魅力の見つけ方
では具体的にどのように強み・魅力を見つけていけるでしょうか？見つけ方は大きく４つあります。
- 自己分析する
- 他己分析する（他者からの意見をもらう）
- 診断ツールを使う
- プロに見てもらう
「自分の強みってなんだろう？」と考え始めてたらまずは、ていねいに自己分析に取り組んでみてください。その後に「他己分析」→「診断ツール」→「プロに相談する」とステップを踏んでいくとスムーズに自己理解を深めることができるのでおすすめです。
強み・魅力が必ず見つかる６つの方法
では具体的に何をしていくといいでしょうか？ここでは自己分析と、他己分析のやり方６つをご紹介していきます。
⑴ 性格リストを活用する
自分で強みや魅力をピックアップできるキーワード一覧をご紹介します。自分の長所や強みを考える際にぜひ役立ててみてください。
⑵ 当たり前にやっていることを振り返る
あなたの常識は、誰かの非常識。「本人にとっては当たり前」すぎて、よいところに気付けていない場合がとても多いです。
改めて自分が「自然とやっていること」「習慣的な行動」「反射的にやっていること」について考えてみましょう。ささいなことのように思うかもしれませんが、それこそ「当たり前すぎて気づいていないこと」の特徴です。あなたが「え、こんなどうでもいいこと？」「こんなささいなこと…？」そう思うことこそ重要なポイントです。
例：
- 誰とでもすぐに仲良くなれる→社交的
- 人と約束の時間を必ず守る→配慮ができる
「誰とでもすぐに仲良くなれる」はコミュニケーション能力が高いという強みになります。「人との約束を必ず守る」ということは「配慮ができる」「真面目さ」「思いやり」といった魅力を表現する行動です。当たり前に行なっている「行動」から自分の強みや魅力を見つけることができるようになると、それをさらに活かしていくことができます。
⑶ 習慣・継続していることを棚卸する
習慣や継続して行なっていることは、あなたの「能力」です。例えば、朝のルーティーンがあれば「効率的」「合理的」と言えます。やるべきことをサッとやってからゆっくりすることが習慣になっているならば「計画的」「真面目」と表現することもできます。行動の内容から、自分の人柄や個性を読み取ることができるのです。
例：
- 朝のルーティーンがある→効率的・合理的
- やるべきことを先にやる→計画的・真面目
習慣として続けていることから自分の性格・強みについて考えてみるといいでしょう。
⑷ 成功体験を洗い出す
過去の経験における成功は、あなたの強みや性格をうまく発揮できた結果です。その体験の中から、自分の強みを抽出しましょう。
例：
- やりたいことを口にしたら、スムーズに実現した
- 具体的なイメージを持ったら、行動が早くなった
- 準備をていねいにやっていたら、いろんな人が協力してくれた
成功体験とは「誰かに認められた」「表彰された」「明らかなる数字で結果が出た」などの分かりやすく大きな経験でなくてはいけないと考えてしまうかもしれませんがそうではありません。「スムーズに行った」「人が喜んでくれた」など自分が達成感を感じたこと「うまく行った」と思った出来事すべてを含みます。
成功体験の裏には、必ずあなたの強みや特徴、長所や魅力が隠されています。ぜひそれらが「ある」前提で振り返ってみてください。
⑸ 言い換える
強み・魅力が「ある」前提で探し始めましょう！と冒頭でもご紹介しましたが、そうは言っても「自分のいいところよりも、悪いところに目がいってしまう」という悩みを持っている方も多くいらっしゃいます。
そんな時でもまったく問題ありません。実は「弱み・コンプレックス・短所」と、「強み・魅力・長所」はすべて表裏一体です。それは状況、その強度、タイミングによってどちらにもなり得ると言うだけです。
そのため「弱みは強み」に、「コンプレックスは魅力」に、「短所は長所」に、捉え方を変えて言い換えることができます。
例：
- 没頭しすぎてしまう → 集中力がある
- 細かい → 几帳面
- 優柔不断 → 柔軟に対応できる
- なかなか行動に移せない → 慎重に考えることができる
- 納得するまでやり続ける → 粘り強い
- 人と比べてしまう → 観察力がある
- 人の影響を受けやすい → 感度が高い
- おせっかい → 人に尽くす
- 融通が効かない → 計画性がある
- 理想が高い → 向上心がある
言い換えることは、思考の柔軟性も高まるので一石二鳥です。最初はなかなか浮かばないかもしれませんが、ネットで反対語を調べてみると意外な強みが見つかります。
⑹ 家族や友達に聞いてみる
「自分で考える自分」と「他人から見た自分」は、想像以上に違いがあるものです。「身近な人に聞いてみる」ことはとても簡単なアクションですが「強みを知りたい」と言いながら意外にやっていない人が多いです。周りの人はあなたが思っている以上にあなたのことをしっかりと見てくれています。
例：
- 私の強みや魅力ってどんなところがあると思う？
- 私を人に紹介するとしたら、どんな人って伝える？
- 私の第一印象って覚えている？
身近だからこそ気恥ずかしさがあるかもしれませんが、勇気を出して取り組んでみると思いもよらぬ発見があるでしょう。取り組んでみたら「気づいていなかった部分に気づけた」「短所と思っていた部分を魅力と言われて驚いた」という話を山ほど聞きます。
また、せっかくなので協力してもらった相手にも「私から見たあなたの強みや魅力はこうだよ」とお返しすることもオススメしています。「相手の方へも同じように伝えてみたらとても喜んでもらえました！やってよかった。」という感想もたくさんいただきます。
まとめ
自身の強みや長所について就職や転職の際には、考えた経験があると思いますが、それは仕事においてだけでなく「ライフデザイン」にもそのまま応用できます。
しかし「自分の強みってなんだろう？」と考え始めてみても「分からない…」そう思って立ち止まってしまいがちですよね。
そんな時こそまずはていねいに自己分析に取り組んでみてください。自分を深く理解することができると、すでに持っている強みや魅力を活かしてスムーズに結果を出していくことができるようになります。
仕事も、人間関係も、健康も、自分らしい人生づくりのための方法はすべて同じです。自然とやっていること、すでに持っている魅力、人とは異なる長所…それらに「気づく」ことから始まります。
楽しみながら取り組んでいることを、仕事にしたり、結果につなげたり、人に喜んでもらうために自己理解を深めてみませんか？
一生付き合う自分自身のこと。宝探しの感覚でぜひ楽しんでみてください！
当コラムが高校の「教育相談室だより」に掲載されました。
