考えごとをするとき「どのように」思考しているか…意識したことはありますか?
私たちは五感を通して世界を認識しています。この五感はとてもユニークで、みんな同じように五感を使っていますが実はその「使い方」は人それぞれ違います。
あなたは〈考える〉とき、どの五感を優先的に使っているでしょうか。それを知ることはあなた自身の能力開発にとても役立ちます。
〈考える〉ときの仕組み
例えば話し合いをしている時に「スライドショーを見てるの?」ってくらいにパッ!パッ!パッ!と思考が早い人がます。もしくは口頭で話を聞いただけなのに考えをまとめられる人もいます。このように他人の考え方に驚いたことはありませんか?その答えは〈考える時の五感の使い方〉にあります。
私は、話を聞いただけよりも、図や絵にして目で見ることで考えを進めることができます。そのため話を聞くだけで考える人と話していると「え!すごい!どうなってるの!?」と驚きを隠せません。
このように他人の「すごい!」と思うパフォーマンスの裏側には、実は思考するときの五感の使い方が関係しています。これは誰がすごい、すごくないということではなく、あなたはあなただけの方法で五感をフル活用しています。ポイントは自分の五感の使い方に気づき、それをうまく活用すると望む結果が出しやすくなったり、自分を表現しやすくなるという点です。
考える時にメインで使われる3つの感覚
私たちは〈考える〉時にも五感を使っています。視覚・聴覚・身体感覚・嗅覚・味覚の五感の中でも思考する時に使われる主要な感覚は
- 視覚(Vision)
- 聴覚(Auditory)
- 身体感覚(Kinesthetics)
の3つです。
優先的に使う五感の存在
考えごとをするとき「どのように」思考しているか…これまで意識したことはありますか?私たちは〈考える〉時にも五感を使っていますが、どの感覚を、どのように使っているか、実は人それぞれ違うのです。
「どうしてそんなにパッ!パッ!と回転早くどんどん話を進めていけるの?」「なぜ話を聞いただけで考えをまとめられるの?」という具合に、他人の考え方に驚いたことはありませんか?その答えは〈考える時の五感の使い方〉にあります。
考える時に優先的に使っている五感のことを優位感覚と言います。
あなたが考える(思考する)時に使っている五感は何でしょうか?
優位感覚の特徴
優位感覚には7つの特徴があります。
- 優位感覚は人それぞれ違う
- 五感のうち1〜2つに絞られる
- 11〜12歳には優位感覚が決まっている
- 優位感覚は他の五感に比べてダントツ!
- 人と比べての「優位性」ではありません
- 優位感覚はタイプではありません
- 普段の言動から優位感覚がわかります
優位感覚は人それぞれ違う
人によって
- どの五感が優先的に使われているか?
- その五感が1つなのか、2つなのか
- そのグラデーション
もすべて異なります。
五感のうち1〜2つに絞られる
感覚は互いに排除し合うものではありませんが、その3つすべてに同時に、同じだけ注意を向けるのは困難です。そのため1つ、もしくは2つが優位感覚となります。
11〜12歳には優位感覚が決まっている
優位感覚はすでに11〜12歳の頃には明らかな好みが現れていると言われています。その頃の出来事を思い出してみると、優位感覚がすでに現れているかもしれません。
- その当時の映像・シーンをよく覚えている(視覚)
- 人の声をよく覚えている(聴覚)
- その当時の身体の感覚を強く覚えている(身体感覚)
どの五感に関することを鮮明に覚えているでしょうか?
優位感覚は、より鋭敏
この優位感覚とは、優先的・習慣的によく使われている結果、他の五感よりも発達しています。そのため特に識別力に優れ、より繊細な感受性を持っています。
人と比べての「優位性」ではありません
私たちが物事をどう「捉えているか?」を他人と比較することはできません。1つの五感においてもその鋭敏さがどのように現れているかは人それぞれです。そのため「Aさんの視覚能力は、Bさんよりも高い/低い」などというジャッジをすることは不可能で、他人との比較における優位性ではありません。
優位感覚は「タイプ」ではありません
優位感覚を知ることは「私は視覚タイプだ」とか「私は身体感覚タイプだ」というようにタイプを分けるものではありません。過去の経験により優位感覚が現れているように、それは「今」のあなたの五感の指向性であり、常に変化するものです。感覚を意図的に伸ばす、発達させることも可能です。そのため優位感覚について語る時は「今の優位感覚は視覚みたい」というように今の特徴として理解してもらえるとより使いやすいと思います♪
普段の言動から優位感覚がわかります
優位感覚は、普段の私たちの言動から知ることができます。
各優位感覚の特徴
習慣になった〈考え方〉は身体にも刻み込まれます。つまりある特定の五感を使っているとその感覚に合った特徴が言動に現れるのです。
具体的には下記3つの言動から優位感覚を知ることができます。
- よく使われる言葉
- センテンス(短い文章)
- 振る舞いやその他の特徴
視覚
よく使われる言葉
見る・絵・フォーカス/焦点・イメージ/想像・洞察・後継・観察する・ビジョン・明るい/暗い・認識する・見せる・集中する・視界・視野・視覚化・クリアに/ぼんやり/霞む・描く・見晴らし・輝く・反射する・明らかにする・注目する・見通し・暴露する・下見
センテンス
- クリアに見える
- 見解の一致
- ビジョンを明示しよう
振る舞いやその他の特徴
- 早口で高い声で話す
- 呼吸は胸の上部で浅め
聴覚
よく使われる言葉
言う・話す・リズム・トーン・調子・共鳴する・波長・単調な・鳴り響く・尋ねる・音・聞こえる・口調・はっきり聞こえる・話し合う・耳を傾ける・叫ぶ・クリック・ささやく・伝える・コメント・対話・調和した・ハーモニー・静かな/うるさいなど
センテンス
- 同じ波長
- 調和が取れている
- その場は賑やかでした
- 静かな人です
- 聞く耳を持たない
振る舞いやその他の特徴
- 一人で考えるときは頭を傾けたり、手で頭を支えていることがある
- 独り言を言う
身体感覚
よく使われる言葉
触れる・触る・バランス・冷たい/あたたかい・感じる・しっかりと・掴む・押す・安定している・熱い・プレッシャー・粗い・ぐいっと掴む・重い/軽い・スムーズ・かたい/やわらかい・粗い/なめらか・苦しむなど
センテンス
- ものすごいプレッシャーを感じた
- その企画が立ち上がり、進んでいます
- 彼はあたたかい人です
- 身に沁みる
振る舞いとその他の特
- 低音でゆっくりと間を置いて話す
- 深い呼吸をする
- 身体の動きや仕草もゆっくりなことが多い
嗅覚
よく使われる言葉
香り・匂い・臭い・かぐわしい・新鮮な香り
センテンス
- うさんくさい
- 怪しいニオイがするよね
- 好きなものには鼻が効く
味覚
よく使われる言葉
すっぱい・苦い・甘い・しょっぱい・スパイシー・うまみ/苦味・味わい深い
センテンス
- 人生を味わう
- 苦い体験
- 甘い言葉に弱い
- 辛口なコメントだね〜
優位感覚の活用方法
優位感覚は、これまで習慣的・優先的に使ってきている五感なので経験値が高いということ。そのため新しいことに挑戦する、学ぶ、仕事などさまざまな場面で優位感覚を活かすことができます。
優位感覚を活かして働く
- 視覚優位:デザイン、アート、クリエイティブな業界や仕事
- 聴覚優位:声優、音楽、音響、文学などの言語・音に関する業界や仕事
- 身体優位:ダンサー、エステ、ヨガ、運動選手、鍼灸師など身体に関する業界や仕事
優位感覚を活かして学ぶ
- 視覚優位:図解や絵、写真、映像で学ぶ
- 聴覚優位:本、オーディオブック、ラジオなど耳から入るもので学ぶ
- 身体優位:実際に経験しながら学ぶ、もしくは散歩しながら勉強する
優位感覚で思考を整理する
- 視覚優位:図解したり、イメージや写真、絵を用いて情報整理するとスムーズです。
- 聴覚優位:リストアップ、文章に書き出すなど言葉に落とし込んで整理する方法や、ぶつぶつと独り言をあえて言いながら考える、もしくは人と話すことも助けになります。
- 身体優位:歩きながら、実際にやってみながら、など身体を動かして考えを整理するとスッキリします。
各優位感覚にマッチするツール・行動の例
- 視覚優位:ビジョンボード・フロー図・マインドマップなど
- 聴覚優位:日記・議事録・打ち合わせ・会議・セッションなど
- 身体優位:散歩・スポーツ・ヨガ・呼吸法・外回りで実際に動き回るなど
あなたの最も身近な人の今の優位感覚はどれでしょうか?〈各優位感覚の特徴〉を参照に、観察してみましょう!
主要な3つの感覚である視覚・聴覚・身体感覚の活用方法を紹介しましたが、実際にはすべてをミックスして学び、選び、活用しています。傾向を知ることで自分に合った方法を選びやすくなります。
まとめ
五感はみんな使っていますが人によってその「使い方」が異なり、優位感覚があること。そして優位感覚ごとに特徴があることを紹介してきました。
なんで伝わらないの?なんでうまくいかないの?という出来事の原因や、もしくは楽々とできてしまうこと、結果が出せることの裏側にはこの優位感覚が影響しています。
優位感覚とは何かを理解すると
- 自分の優位感覚を実生活に活かす
- 優位感覚をより伸ばす
- 経験値が少ない五感は、トレーニングをして鍛える
ということが可能になってきます。今後、このような関連記事もアップする予定ですのでぜひ楽しみにお待ちください♪