アクセシング・キューとは、人が「どのように考えているか」を知る手掛かりとなるサインのこと。具体的には人が考える時に視覚・聴覚・身体感覚の「どの思考を使っているか」を知る手掛かりとなる動きや反応のことをいう。
名称 | アクセシング・キュー |
意味 | 人が「どのように考えているか」を知る手掛かりとなるサインのこと |
英語 | Accessing Cues |
和英 | Accessing=アクセスする、Cues=きっかけ、手掛かり、合図 |
アクセシング・キューとは
私たちは、考える方法が変わると眼に見える変化が身体に表れます。
身体と思考、感情は連携し、それぞれが影響を及ぼし合っています。そのためどのように考えるかは、身体のどこかに現れます。そのため振る舞いや行動を観察することによってその人が「どのように考えているか?」を知る手掛かりとなります。それらサインとなるもののことを「アクセシング・キュー」と言います。
どのようなサインがあるのかを知っていたら…相手がどのように考えているのかを理解することははるかにカンタンになります。つまりコミュニケーションをよりスムーズにしていくことを可能にしてくれる大切なツールです。
アクセシング・キューの種類
アクセシング・キューの典型的なものとしてあげられるのは下記の6つです。
- 眼の動き
- 声のトーンとテンポ
- 姿勢・しぐさ・状態
- ジェスチャー
- 呼吸
- 叙述語
これらはすべての場合に当てはまるものではありませんが傾向として知っておくことで、どのように考えているかに関する手がかりを掴みやすくなります。
眼の動き
私たちは、考える方法(視覚・聴覚・身体感覚)によって決まった向きに眼を動かします。神経学の研究によると、眼の上下・左右の動きは脳の異なる部分の活動と関連していると言われており、眼の動きをを観察することで、頭の中でどのような情報にアクセスしているのかを外からみる手がかりになると考えられています。アクセシング・キューの中でも、眼の動きは特に分かりやすい観察対象として「アイ・アクセシング・キュー」と呼ばれ活用されています。
声のトーンとテンポ
- アップテンポな話し方・高い、はっきりした声の調子:視覚情報へのアクセス
- リズミカルな話し方・メロディのような響き、中位のペース:聴覚情報へのアクセス
- ゆっくりとした話し方で間も多い・低く深い調子:身体感覚情報へのアクセス
姿勢・しぐさ・状態
例:筋肉の変化
- 肩や腹部の筋肉緊張:視覚情報へのアクセス
- 筋肉が緊張したり、リズミカルな動き:聴覚情報へのアクセス
- 動きが増える:触覚(身体感覚)情報へのアクセス
- 筋肉がゆるむ:身体感覚(内的な感覚)情報へのアクセス
例:姿勢
- 直立した姿勢で、腕組みをして話す:言語と抽象的なシンボルで思考する(デジタル情報へのアクセス)
ジェスチャー
呼吸
- 胸上部での浅い呼吸:視覚情報へのアクセス
- 胸全体または中間あたりでの、長く吐く息を伴う呼吸:聴覚情報へのアクセス
- お腹での深いゆっくりとした呼吸;身体感覚情報へのアクセス
叙述語
アクセシング・キューの活用
アクセシング・キューを活用できるようになると、目の前の相手がどのように考えているか?を理解する手助けになります。
またそれだけでなく、自分自身が異なる思考にアクセスするように、身体を調整する方法を知ることができるようにもなります。
関連
- 表象システム
- アイ・アクセシング・キュー
- 叙述語
- 観察法