用語

内的エコロジー | Internal Ecology

内的エコロジーとは、自身の内側の調和のこと
「内的エコロジーチェック」として、自身の内側の〈信念・価値観と行動〉が調和しているかをチェックする言葉として活用されます。

  • エコロジーチェック:調和を確認するプロセスのこと
  • 内的エコロジーチェック:自分の中の調和を確認すること
  • 外的エコロジーチェック:自分の外の調和を確認すること
名称内的エコロジー
意味自身の内側の調和のこと
英語Internal Ecology
Internal=内的な
Ecology=エコロジー,エコロジーシステム
ベース理論システム思考・サイバネティクス

エコロジー

エコロジーの〈概要〉

エコロジーかどうかは、自分が起こす変化がより広い範囲(システム全体)にどのように影響するかを確認することで判断されます。ミクロの視点/ある一部分の視点から見ると「よい変化」のように見えることが、マクロの視点/他視点から見てみると「問題」となることがあります。

  • 薬の効果で痛みは治ったけれど、副作用がひどい
  • その場には合わせたけど、本当の自身の信念に合っていなくて自己嫌悪になる
  • 仕事だけ頑張って家族が崩壊
  • 自分の利得が他者の損失になる
  • バタフライエフェクト

変化の際に、予想する領域が適切でなかったり、十分広域でない場合、それによって起こる問題は変化の副作用としてブーメランのように戻ってきます。私たちの人生は複雑で、1つの変化が大きな波紋を広げます。変化の中には他と比べて小さな影響のものもあれば、大きなものもあります。エコロジーかどうかは、そういったさまざまな影響を考慮し、より広い範囲において調和するか確認する大切なプロセスです。

〈内的エコロジー〉

〈内的エコロジー〉の概要

内的エコロジーとは自身の内側の調和のこと。自身の内側の調和とは、具体的には

  • アイデンティティ
  • 信念・価値観
  • 能力
  • 行動
  • 環境

が調和している状態のことです。

私たちは社会というシステムの一員として存在しています。それと同じように私たち自身の内側にもさまざまな要素が存在しています。それらは有機的なシステムとして1つが変化すると他にも影響を及ぼします。

例えば、自身が大切にしていること(価値観)に対してそれに即した行動が取れなかったとき、私たちは不一致を感じ、葛藤や混乱が引き起こされます。また自身が信じること(信念)に対して、能力が追いついていないとき私たちは不一致のサインとしてフラストレーションを感じます。

内的エコロジーチェックとは、自分の中での一致/不一致の感覚をチェックすることです。不一致を認識し「環境を変える」ことで一致に向かうこともあるかもしれません。不一致を認識することで「能力を高めよう」と行動の原動力となる場合もあるでしょう。

もっとも広範囲で見た時に「内的に調和しているか?」を自分自身に問う必要があります。そしてそれは一致/不一致の感覚によって示されます。そのため自身の感覚の鋭敏性を高めることは内的調和をはかる上でとても大切です。

〈内的エコロジー〉と健康

自身の内側の調和は2つの側面からみることができます。それは身体を通しての調和と、心を通しての調和です。いずれも一致/不一致の最初のサインはフィーリングから訪れます。そこで意識化されないと、現象(不調、出来事)になってあらわれます。

  • 肉体的エコロジー:身体の健康。つまりは心と身体の調和のこと。
    • 一致/不一致のサイン:フィーリング→身体の不調にあらわれる
  • 精神的エコロジー:精神の健康。つまりは信念・価値観と行動の調和のこと。
    • 一致/不一致のサイン:フィーリング→人間関係、出来事、身体や体調にあらわれる

〈内的エコロジー〉と精神的エコロジー

自身の内側の調和の〈精神的エコロジー〉を、より詳しく分解すると5つの階層に分けて考えることが可能です。この5つの階層が調和しているとき、私たちはとてもパワフルで、自分自身に一貫性があり、全身全霊で動くことができます。

反対にこの5つの階層のどこかに、内心気になること、引き留めるもの、疑念や不安、不信感があるとき、自分の中に不一致が生じているというサインです。すると100%の力で前進しようとするのを自らが阻止する働きが起こります。

  • アイデンティティ
  • 信念・価値観
  • 能力
  • 行動
  • 環境

〈内的エコロジー〉と質問

  • より広範に捉えた時、この行動はどう影響していくだろう?
  • この変化を選択すると、私は何を手に入れ、何を失うだろう?
  • 私はさらに何をやらなければならないだろうか?
  • それに価値はあるだろうか?
  • この変化を起こすことの代償は何だろう?私はそれを望んで支払うかな?
  • 現在の状態の〈よい側面〉はなんだろう?
  • 望んでいる変化を起こしながら、それらの良い側面をどのように維持できるだろう?
  • 人生の信念・価値観と合っているかな?
  • 価値観の優先順位と合っているかな?

〈内的エコロジー〉と一致/不一致

内的エコロジーには一致不一致の状態があります。

一致と不一致は白か黒かで判定するものではなく、グラデーションです。私たちが完全に一致している状態というのはほとんどありません。また不一致が「悪い」わけでもありません。不一致は一致の状態に気づくことと同じように、とても重要なサインであり、価値のある情報です。

関連

キーワード

記事

パフォーマンスを決める要【状態】37種類まとめ 自分らしくいるために、自分自身の「状態」とうまく付き合うことはとっても大切です。穏やかな暮らしにも、仕事のパフォーマンスを高めるために...