コーチング

効果的に変化するために必要な〈5つの意識レベル〉

コーチングを活用して「どのように」「どのくらい」変化を起こしたいか?実はそれを理解するのにとても有効な方法があります。それは〈自分の意識がどこに向いているか?を5つに分けて考えてみること〉です。この記事ではその5つの分け方について解説します。

コーチングの範囲

コーチングには大切な視点があります。それはコーチングサポートの範囲が、人の意識のどこのレベルに影響を及ぼすためのものか?という点です。

コーチングと名のつくものは多種多様にあり、現在は「限られた範囲の変容サポート」をするコーチングと、広範囲の意味での「その人そのものの変容を促す」ためのコーチングがごっちゃになって使われています。

限られた範囲の変容サポート

狭義の意味でのコーチングはある特定の範囲に焦点を絞り、その改善や改良をサポートします。

ex.行動レベルに焦点を絞ったコーチング
行動観察からパフォーマンスにつながるような具体的アドバイスやフィードバックを受け取ることができます。そうすることで1人で試行錯誤するより早く、効果的に自身の行動特性やクセを理解することができます。さらには自分では考えつかない、知らなかったアドバイスを受け取ることで、改善や改良のスピードを加速させることを可能にしてくれます。

広範囲の変容サポート

広義のコーチングは、行動のみならずその人の能力、信念&価値観、そして自己認識(セルフイメージ)をも変容させていく包括的&総合的な支援をする新しいコーチング形態です。

ex.エグゼクティブ・コーチング/ライフコーチング
経営層の能力開発に携わるエグゼクティブ・コーチングや、1人の方の人生変容をスムーズに移行させていく手助けをするライフコーチングで必要になってくるのは、その人の中でパラダイムシフトを起こしていくことです。(*パラダイムシフト:当然のことと考えられていた認識・思想・価値観などが革命的、もしくは劇的に変化すること)

パラダイムシフトを起こすコーチング

自己認識レベルのコーチングは、〈行動〉の上位概念である〈能力〉〈信念・価値観〉〈自己認識〉の強化に集中するためのサポートです。

それにより、人生における

  • アウトカムを実現させていくだけでなく
  • その過程で自己理解をより深める

ことを可能にしてくれます。

自己認識レベルのコーチングには、行動レベル、能力レベル、信念・価値観レベルそれぞれのコーチング技術を含む、より多くのテクニックと経験が必要になります。

コーチングが扱う5つの意識レベル

まずはざっくりと「限定的な意味でのコーチング」と、「広義の意味でのコーチング」をご紹介しました。

これをもう少し分解して「何を変えたいか?」という目的によって変わるコーチングで扱う〈5つの意識のレベル〉をご紹介していきます。

自分の変化を加速させるポイント

問題解決をしたい時、目標を実現させたい時、「自分の意識がどこに向いているか?」を理解することってものすごく効果的です。なぜなら物事がうまくいかない時に、その意識をちょっとスライドするだけで、面白いほどスムーズに進めることができるようになるからです。この「自分の意識がどこに向いているか?」を5つに分けて理解する方法があります。

それをシンプルにまとめたのが上記の図です。⑴〜⑸とナンバリングしていますが「意識のレベルは高い方がいい。低いのはよくない。」ということではありません。数字が大きくなるほど、自分の変化に、より本質的に影響するという意味です。つまり影響力の強さです。

意識を1つスライドさせると見え方が変わる

レベル⑸はレベル⑴〜⑷のすべてに影響しますが、レベル⑴が変わったからといって“必ずしも”その上位レベルに影響を及ぼす訳ではありません。自分自身や人生に、より大きな変化を生み出したい時には、数字が大きい意識レベルに焦点を当てて取り組むのが効果的です。

ex.〈⑴環境レベル〉に意識を向けて「どうやって環境を変えるか?」を考えるよりも、1つ上の〈⑵行動レベル〉にも意識を向けて「自分自身の行動をどう変えるか?」にも意識を向ける方がより自分の変化についてインパクトが大きくなります

ex.〈⑶能力レベル〉に意識を向けすぎて「いかにスキルアップしよう?」だけを考えるよりも、1つ上の〈⑵信念・価値観レベル〉も含めて考えて「そもそも…何が大切なんだっけ?そのために本当に必要な能力/スキルはなんなんだろうか?」に意識を向ける方が、より本当に望む状態に近づきやすくなります。

意識レベルの数字が大きくなればなるほど「そもそも」の前提を見直すことになります。

コーチングの範囲と役割

「変えたいこと(意識のレベル)」により、コーチングの役割や範囲は変わります。

多種多様な目的のコーチングがありますが、それをこの5つで分けてみました。これも一概には言えませんし、きっちりと線引きされている訳ではありません。

ただ自分を成長させていく時にどのようなステップがあるか、次はどのようなことにフォーカスするとよいか知ることで、より安心して進んでいくことができますよね。

●意識のレベル(目的)と、コーチングの範囲

目的/意識のレベルコーチングの役割・範囲ex.
⑴ 環境を変える
⑵ 行動を変える
指導的役割のコーチング・英語コーチング
・スポーツコーチング
⑶ 能力を変える
=思考技術の向上
・人材育成・目標達成のコーチング
・コミュニケーションupコーチング
・学習能力upのコーチング
・シチュエーションコーチング
・トランジションコーチング
・プロジェクトコーチング
⑷ 信念や価値観
(マインドセット)を変える
自己開発のコーチング/メンタリング・ビジネスコーチング
⑸ 自己認識を変える自己実現のためのコーチング・エグゼクティブコーチング
・ライフコーチング
⑹ 人生における役割
・使命を探求する

⑴環境⑵行動レベルのサポート

指導的役割のコーチング

コーチングはスポーツの育成&学習支援を行う存在としての「コーチ」から始まっています。その背景から、行動パフォーマンスを高めるためのアドバイスと指導をする存在としてのコーチングがあります。

教える(ティーチング)と異なる点は、「教える⇄学ぶ」だけではなく「学ぶこと、それ自体を助ける」側面があることです。具体的には、自身の行動を観察するように質問をしたり、それを改善するための「気づき」や目標に対しての「動機づけ」を促すような対話をします。そうすることで「教わる」だけでなく「自ら気づき、自ら改善する新しい学びを習得する」プロセスを手助けします。

英語コーチングやスポーツコーチングが該当します。

⑶能力レベルのサポート

人材育成・目標達成のコーチング

1990年代頃から企業にコーチングが採用され始めました。なぜなら自律型の人材を求めてい企業にとって、効果的に結果を出すための目標達成方法や、人の能力・自発性を引き出すコーチングの対話手法は、社員教育や人材育成方法として魅力的なものだったためです。近年、日本でも企業内でコーチング研修が行われたり、外部コーチが幹部にコーチをつけるなどの動きが出てきています。ここで使われている「コーチング」は、企業としての人材育成や、目標達成のための手法・方法を学び、実践して結果を出していくプロセスをサポートします。

学習能力upのコーチング

企業に活用が広まった後に、さまざまな分野や業界に導入されていったコーチングですが、教育分野では「新しいスキル・知識」を学ぶ際に、その学習能力自体を高めるための育成方法としてのコーチングが挙げられます。

コミュニケーションスキルupのコーチング

ビジネスで「どのように商談をまとめるか?」、子育ての際に「どのようなコミュニケーションが子どもの可能性を引き出すのか?」、パートナーシップや人間関係において「どのように信頼関係を築くか?」など、コミュニケーションスキルとしてもコーチングは活用することができます

能力レベルのサポートは、企業内でのコーチング研修・サポートがイメージしやすいかもしれません。

⑷信念・価値観レベルのサポート

自己開発支援のコーチング

1980年代に心理学の分野で「個人の幸せや豊かさに関する研究」が始まりました。その頃から個人が「どのように生きるか?」というライフプランニングや自己啓発・自己開発を目的としたワークショップがアメリカで広ま、その過程で初めてコーチングの方法論がまとめられました。自己開発を支援するコーチングというのは、そもそも何を大切にしているのか?何に価値を置いて人生の選択をするか?またどのような考えを持ち、信じているのか?それを明確にするとともに、もしもそれらが人生において有効ではなくなっている場合は信念や価値観を見直し、アップデートする手助けをします。

ここに当てはまるのは、結果を出すためだけではなく、「何のためにやるのか?」や「そのビジネス、事業を通して何を実現したいか?」などその人の価値観や、信念をビジネスで形にするためのビジネスコーチングなどです。

⑸自己認識レベルのサポート

自己実現のためのコーチング

自己実現をサポートすることをライフコーチングと呼び、人生設計を長期的な視点で、戦略的&精神的にサポートしていきます。A~Eまでのすべてを包括し、統合させる手助けをすることによって、人生の障害となっている問題に精神的な気づきを与えること、人生の目指す方向へ自発的に道を切り開いていくことの伴奏をしていきます。

ここに該当するのは、エグゼクティブコーチング、ライフコーチングが挙げられます。

まとめ

コーチングでは「何を変化させたいか?」によってコーチングの範囲が変わります。その範囲を5つに分けてご紹介してきました。

  1. 環境レベル
  2. 行動レベル
  3. 能力レベル
  4. 信念・価値観レベル
  5. 自己認識レベル

そしてこの5つの意識のレベルは、自身の問題解決や目標実現にも役立ちます。「自分の意識がどこに向いているか?」をこの5つのレベルで整理することによって、意図的に視点をずらすことを可能にしてくれるからです。

意識レベルが分かれば課題はほぼ解決する

この意識のレベルをずらすということは、誰でもできるのですが、実は1人ではやるのはそんなにカンタンではありません。なぜならそもそも自分がどこに意識を向けているか?が自分ではわからないからです。常に客観的にわかっていれば人は悩みません。わからないから悩んだり、困ったりするのです。

コーチングで選択肢を増やそう

コーチングはそんな時に、あなたの意識が「どこに向いているか?」を質問を通して気づけるようサポートしたり、その意識をどこに、どのようにずらしたらスムーズに進むのか、対話を通して選択肢を増やすお手伝いをするものです。そしてその意識がどこに向いているかに気づく練習や、ずらす練習を積み重ねていくことで、自身で気づき、スライドさせて行くスキル習得も可能にしてくれます。これ自体が新しい学びを習得していくサイクルですね。

何を、どのように変化させていきたいか、自分の望みを知るための参考になったら幸いです!