まとめ記事

感覚を変える要【サブモダリティ】まとめ

一度体験した強烈な出来事は「鮮明に」記憶に残ります。衝撃的な一言は、普通のトーンだったかもしれないにも関わらず、頭の中で「大きな声」として響いているように感じられるかもしれません。しかしそれも時間の経過とともに、思い出が「色褪せて」いくうちに衝撃的な一言も気付けば「その一言がなんだったかも思い出せなくなっている…」そのような経験を誰もがしています。

出来事と、その出来事から生まれたイメージや音・感覚に関する記憶は無意識に変わっていきます。これは感覚情報の「変化」が起こるためです。この記憶は時間とともに変化すると同時に、意図的に変化させることも可能です。感覚情報の特徴を理解し、それを活用することで思考や気持ちを意図的に変化させることが可能になります。

この記事では、この感覚情報とその種類についてご紹介します。

サブモダリティとは?

この記憶を構成する感覚的な情報を総称して「サブモダリティ」と言います。

「なんでこんなこともできないんだ」と言われ大きく動揺し、その日の帰り道にはその言葉が大きな声で何度も頭の中で響いていたとします。その後気持ちの整理をして対策を決め1週間経った後、言われた事実は覚えているけれどその言葉を思い出しても感情が動かないという変化があったとします。その時、聴覚のサブモダリティが変化(大きな声で何度も聞こえる→淡々と思い出す)したことで心理的状態への影響力が変わったのです。

これは「声/音」が聞こえることは変わりませんが、頭の中で聞こえるそのボリュームや回数が変化しました。このように「聴く」ということ自体ではなく、聴こえる音や声のボリューム、速さ、トーン、回数などの「質」に関する情報のことを言います。

モダリティとは

モダリティとは、視覚・聴覚・身体感覚・味覚・嗅覚などの五感のこと。心理の言葉でそれぞれの感覚器で感知する「固有の感覚」のことを指します。

サブモダリティとは

サブモダリティとは、これら五感の「サブ的な要素」のこと。

何かを「見る」とき、私たちは明るさ、色、コントラスト、位置などを把握します。これらの「見る」ことを成り立たせる要素である「彩度」「明度」「位置」などが「サブモダリティ」です。

  • 「見る」=視覚モダリティ
  • 「明るい・鮮やか・大きい」=視覚のサブモダリティ

サブモダリティの特徴

サブモダリティは、体験から得られる感覚に大きく影響します。楽しかったことは「明るいイメージ」を持ったり、びっくりした時には「大きな音」が記憶に残るかもしれません。実はこのサブモダリティを変えることで、思考や感情を変化させることができます。

例えば、ちょっと苦しかった出来事もその記憶の「明るさ」のサブモダリティを変えることで、人々はよりポジティブなイメージに上書きすることができるように。そのためサブモダリティについての理解を深めることは自分の体験と上手に付き合っていくのに役立ちます。

サブモダリティ | Sub Modalities サブモダリティとは、感覚のより細かい区分。感覚のより細かい質の違いのこと。 名称サブモダリティ/従属要素(じゅうぞくようそ)意味...

サブモダリティの各システム

視覚のサブモダリティ

「見る」ことを成り立たせている視覚の要素(サブモダリティ)のこと。

「見る」という行為の解像度を上げると、実は「見るべき要素」がたくさんあることに気が付きます。例えば「色」だけに注目して見ている人と、「大きさ」「色の彩度」「画像の明瞭さ」まで「見て」いる人では、同じ場面を見たとしてもそこから得られる情報は大きく異なります。

視覚のサブモダリティ | Visual SubModality 視覚のサブモダリティとは、視覚情報を構成する細かい要素のこと。 名称視覚のサブモダリティ意味視覚情報を構成する細かい要素のこと英...

聴覚のサブモダリティ

「聴く」ことを成り立たせている聴覚の要素(サブモダリティ)のこと。

「聴覚情報」は「音色」「音量」「リズム」「ピッチ」などさまざまな要素から成り立っています。これら聴覚情報を構成する細かい要素のことを聴覚のサブモダリティと言います。

聴覚のサブモダリティ | Auditory SubModality 聴覚のサブモダリティとは、聴覚情報を構成する細かい要素のこと。 名称聴覚のサブモダリティ意味聴覚情報を構成する細かい要素のこと英...

触運動覚のサブモダリティ

「感じる」ことを成り立たせている触運動覚の要素(サブモダリティ)のこと。

「触運動覚情報」は「温度」「圧力」「肌触り」「などさまざまな要素から成り立っています。これらの触運動覚情報を構成する細かい要素のことを触運動覚のサブモダリティと言います。

触運動覚のサブモダリティ | Kinesthetic SubModality 触運動覚のサブモダリティとは、触運動覚情報を構成する細かい要素のこと。 名称触運動覚のサブモダリティ意味触運動覚情報を構成する細...

味覚のサブモダリティ

「味わう」ことを成り立たせている味覚の要素(サブモダリティ)のこと。

「味覚情報」は「塩味」「うまみ」「苦味」「などさまざまな要素から成り立っています。これらの味覚情報を構成する細かい要素のことを味覚のサブモダリティと言います。

味覚のサブモダリティ | Gustatory SubModality 味覚のサブモダリティとは、味覚情報を構成する細かい要素のこと。 名称味覚のサブモダリティ意味味覚情報を構成する細かい要素のこと英...

嗅覚のサブモダリティ

「香りを感じる」ことを成り立たせている嗅覚の要素(サブモダリティ)のこと。

「嗅覚情報」は「種類」「強さ」「などさまざまな要素から成り立っています。これらの嗅覚情報を構成する細かい要素のことを嗅覚のサブモダリティと言います。

嗅覚のサブモダリティ | Olfactory SubModality 嗅覚のサブモダリティとは、嗅覚情報を構成する細かい要素のこと。 名称嗅覚のサブモダリティ意味嗅覚情報を構成する細かい要素のこと英...

まとめ

五感それぞれのサブモダリティをご紹介してきました。

私たちは、自分が体験する感覚情報の要素に気づくことができると、その感覚情報を変更することで、思考や感情を変化させることができます

明るさを変えることで気分が変わる。音のリズムを変えることで、身体が動きやすくなる。圧を変えることで心地よさが変わる。香りを変えることで、リラクゼーションが深まる。うまみを丁寧に味わうことでより幸福感を感じられる…などちょっとした「要素変更」をすることで私たちの気持ち、気分、行動は実は簡単に変えることが可能です。

どの五感の、どのサブモダリティを変えることが、自分にとって効果的か?それも人それぞれ違います。自身の感覚を大きく変えるサブモダリティが何なのかぜひ探求してみてください。

関連

キーワード

記事