無意識に使っている言葉、口グセ。
実は自分の口グセは、誰より自分自身に一番影響を及ぼしています。
言葉を変えると、思考が変わります。
思考が変わると、行動が変わります。
行動が変わると、習慣が変わります。
そうやって、人生はささいなことから変わっていきます。「どのような言葉を選ぶのか?」「口にするのか?」「それを使い続けるのか?」によって自分にどのようなメッセージを送るのか?をカンタンに変えていくことができます。
気づかないうちに、自分の口グセで可能性を潰していませんか?
自分の言葉の選び方で、選択肢を狭めていませんか?
今回は、可能性を自ら潰してしまう「やめるべき口グセ」をご紹介します。
残念な口グセ 13選
- 自信を失わせる口グセ(やっぱり〜ない・どうせ)
- 情報を遮断する口グセ(でも・だって・いや・しかし)
- 行動力を失わせる口グセ(きっと・たぶん・一応)
- 実現力を阻止する口グセ(〜だといいな・〜であって欲しい)
- 柔軟性を失わせる口グセ(ダメ・ムリ・分からない・知らない・難しい)
- 主体性を失わせる口グセ(〜された・〜のせいで)
- ルートを限定する口グセ(〜なら〜できる)
- 可能性を制限する口グセ(できる/できない・可能/不可能)
- 強制する口グセ(べき・ねばならない・当然)
- 選択肢を狭める口グセ(みんな・絶対・いつも・すべて)
- 燃え尽きさせる口グセ(もっと・より)
- 制限をつくる口グセ(常識・当たり前・ふつう)
- 自己肯定感を下げる口グセ(なぜ・どうして)
今回ご紹介する残念な口グセは「あなたの可能性を自ら潰してしまう」ものたちです。ポイントはこれらの口グセが「自分に向けてどんなメッセージを送っているか?どのような影響を及ぼしているか」を知ってもらうことです。「他人とのコミュニケーションにおけるNGな口グセ」ではありません。他人に対しては「意図的に」これらの言葉を使うのが効果的な場合もありますので、分けてご理解ください。
⑴ 自信を失わせる口グセ
- やっぱり〜ない(やっぱり私にはできない)
- どうせ〜(どうせ私にはムリだったんだ)
「やっぱり〜ない」は、そもそも後半に続く「否定的な内容を前提に思っていた」ということの現れです。私たちは自分が信じること、考えていることに注目します。そしてそれが「正しい」根拠を無意識のうちに集めて自分を正当化するバイアスを持っています。
この口グセが「否定的な内容を正当化するため」に使われる場合、本来なら見つけられる可能性や選択肢の幅を狭めると同時に、発する人自身の「否定感」を強化する働きがあります。この口グセを持ち続けながら自信を持つことは困難であり、出来事を自己不信を増幅させる材料にもしてしまいます。
言い換え
この口グセはシンプルに〈STOP!〉
⑵ 情報を遮断する口グセ
- でも
- だって
- いや
- しかし
これらの言葉は前に話されていた内容を「否定」する要素を含む言葉たちです。英語で言うと「But」。つまりその後に続くのは反論や否定しかありません。
そのためこれらの言葉を発した時点で「自分で自分の脳内シャッターを閉めてしまう」ようなものです。そうすると情報が入りづらくなり、結果自らの選択肢や可能性を狭めます。そのため外からの情報をしっかりと「受け取る」ためにまずは「肯定的な言葉」もしくは「中庸な言葉」で返事をした後に、反対意見やその他の可能性について提案をする方があなた自身の柔軟性と可能性を高めます。
反射的にこれらが口グセになっている状態の共通点として
- 感情的になりやすい
- 自分の意見が正しいと考えがち
- 自分の意見に合わないことは受け入れないことが多い
- 自分の間違いや、都合の悪いことを受け入れるのが苦手
が挙げられます。
言い換え:「そうなんだ」&5秒待つ
「そうなんだ」「そうだよね」「そんな考えがあるんだね」など一旦相手の意見や話を受け入れる言葉を使うこと。そしてその内容を、しっかりと「聞く」こと。なお、ここでポイントなのは「考え方を受け入れる」ことと「話を受け止める」ことは異なるという認識をしておくことです。相手の意見に「同意」しなければいけないということではなく、まず一旦相手の言っていることは、しっかりと聞いているということを伝えるための「そうなんだね」という言い換えです。その後に「私はこう思う。」と伝えます。
でも(反論前提) → そうなんだ。私は、〜考える。(受け止める&意見)
⑶ 行動力を失わせる口グセ
- きっと
- たぶん
- おそらく
- 一応
- なるべく
- 〜なくはない
これらの言葉自体が行動力を失わせるわけではなく、「自分の考え、思い、行動」について話している時に、口グセになっている場合は注意が必要です。
口グセは誰よりも自分が自分に言い聞かせている言葉たちです。ここに挙げた口グセは無意識に「自信がない」「決めていない」ということを自分に示しています。その背景にあるのは、決めないことで曖昧にする、断言しないことでやらない理由にする、言い訳です。ここでは、逃げることや言い訳することが悪いという意味ではありません。これらの曖昧な言葉を自分に向けて使うことで、本来の自分の感情・感覚・考え・意見を自分でわからなくさせている点が一番の問題です。
言い切ることで本心に気づく、自分の現在地を受け入れられる、自分自身を客観的・俯瞰的に捉えることが可能になります。また言い切った後に「間違っていた」「考えや気持ちが変わった」ということに気づくのも自然なことです。そうしたら「今は、〜考える。思う。」と修正すればOKです。
言い換え:自分のことについては断定する
自分自身の考えや、行動、決断については「〜します」「〜と思った」と断定・断言するクセをつけましょう。これは他人に意思表示をするためにではなく、自分で自分に話しかけるときの口グセとしてです。こうすることで無意識は「決断された」と認識します。
「おそらく」「多分」などの曖昧な言葉が口グセの場合、意識的にも無意識的にも「どちらか分からない」状態です。私たちは意識的に明確な指示、指令を出すことで行動力がアップします。あなた自身にシンプルで明確な指令を出して動きやすくしてあげるために、「断定する」口グセは重要です。
「きっと〜だと思う」(希望的観測)→ 「私は、〜したいと思う」(意思表示)
⑷ 実現力を阻止する口グセ
- 〜だといいな
- 〜であって欲しい
自分の願望を話すときに「将来、こうだといいな」「こんな人であって欲しいと思う」という言葉選びをするとき、無意識に送っているメッセージは「他の人の話をしています」です。願望的な表現が悪い、効果的ではないということではなく「自分の実現力を高める」ためには効果的でないという意味です。
「〜だといいな」「〜であって欲しい」などの口グセは願望を表すように、あくまで願望なので「特にまだ動かなくていいですよ〜」「誰かの話で、自分の話ではないですよ」というメッセージを自分に伝えているようなものです。
言い換え:望みや希望については、言い切る
願いや望み、願望について「〜がいい」「〜が欲しい」「〜する」「〜になる」「〜したい」と断言するのが効果的です。「私は〜する」「私は〜したい」というように自分が主語になり、語尾を断定することが自分へ最も強く響く効果的なメッセージの送り方です。するとこれらの言葉は「あ、こうなるって決めたのね!OK!そこに向けて動いていきましょう〜」と、自分への指令として最も効果的に届きます。
〜だといいな(願望)→〜がいい(決断)
⑸ 柔軟性を失わせる口グセ
- ダメ(ダメに決まってる)
- ムリ(ムリだよ)
- 分からない
- 知らない
- 難しい
「NO」という言葉を使う背景にはさまざまな理由がありますが、これらが口グセになっている場合、それを一括りに否定することが習慣化しています。否定を使う場面は4つに分けることができます。
- 〈能力〉的なもの
- 〈気持ち〉的なもの
- 〈価値観や信念〉的なもの
- 〈現象〉的なもの
理由をごちゃ混ぜにしてこれらの言葉を多用することは自分と相手の選択肢・可能性を狭めます。セルフトークで使っていませんか?職場で多用していませんか?子どもに言っていませんか?
言い換え:分解して答える
NOの中にも「大丈夫なこと」と「どうやっても無理なこと」があるはずです。それを括って「ムリ」「ダメ」「分からない」「知らない」「難しい」という言葉にしてしまうことは自分の可能性を狭めてしまいます。
例えば「ムリ」という場合にも、具体的に「何は」NGなのか、それ以外の「何は」OKなのか。物事の中にある「OKな部分」「NGな部分」を部分に分けて考えるクセをつけることが大切です。
ダメ(全部否定)→ これはNGだけど、ここはOKだ!(分解する)
⑹ 主体性を失わせる口グセ
- 〜された
- 〜のせいで
受身の口グセです。これらが口グセになっているときの問題点は、「Aさんに〜された」「Aさんのせいで、〜なった」など主語が他人になっていることです。
無自覚に「他人を主語にする話し方」が口グセになっているとき「私が主役ではない」というメッセージを自分に刷り込みます。また他人が主語(主人公)の物語では、私(脇役)はその物語を変えられないという前提も持ちやすくなります。「自分ができることはない」「自分は受身(被害者である)」という前提を強化させることになるからです。他人が主語である限り、その状況に自分が合わせる(振り回される)しかないという考えにもなります。人生に能動的に向き合うには、自分が主体である必要があります。
言い換え:アイメッセージにする
シンプルな解決策は、主語を「私は」で文章を始めることです。自分を主語で話すということは「常に自分は能動的な存在である」ということを自分自身にも伝えています。
相手の行動は相手の行動、それに対して「自分は選んでその行動をした、選択をした」という口グセに切り替えていくことです。例えば「相手に責められた。」を「相手に○○と言われた(現象)。それに対して私は責められたように感じた(主観)。」というように。「私は」を主語にすることで「感じ方」「感じた後の行動」の選択権は自分にあるというメッセージを自らに送ることができます。
〜された (受身)→ 私は、こう反応した(主体的に表現する)
参考記事:因果
⑺ ルートを限定する口グセ
- 〜したら、〜できる
- 〜になったら、〜になれる
- 〜だから、〜できる
「いい会社にいたら、安泰」「好きな仕事につけたら、楽しめる」「結果が出せたら、認められる」など「条件」をつけることが口グセになっている場合、他にもある道のりの選択肢を狭める場合があります。
ると、願望実現までの道のりが辛くなったり、実現可能性が低くなることがあります。
なぜなら条件をつけるということは、その条件をクリアしないと望みは叶わないというメッセージを自身に送ることにもなるのです。「いい会社に就職しないと、安心できない」「好きな仕事が見つからないと、楽しめない」「結果が出ないと、認められない」というメッセージを刷り込むことになります。もしかすると求めていることは、他の方法、やり方、状況でも実現できるかもしれません。実現のために条件付けをしない、2つのまったく関係ない文章を繋げないことが大切です。
言い換え:希望だけを言葉にする
条件づきで話す口グセを、シンプルに2つに分けて「〜したい」に言い換えます。
- 「いい会社にいたら、安泰」→いい会社に就職したい。安心して生活したい。
- 「好きな仕事につけたら、楽しめる」→好きなことを仕事にしたい。仕事を楽しみたい。
- 「結果が出せたら、認められる」→結果を出したい。仕事で上司に認められたい。
条件なく「望みを叶えてOK!」「実現させてOK&実現できるよ」「望んでOK!」というように、自分自身に許可と可能性を伝える口グセに言い換えます。
さらには「どうしたら、できるかな?」という口グセをセットにするとより効果的です。+αの質問により実現のための具体的な行動を導き出します。
〜したら、〜できる(条件&願望)→ 〜したい(願望)+どう実現しよう?
⑻ 可能性を制限する口グセ
- 〈できる/できない〉
- 〈可能/不可能〉
これらが口グセになっているとき、自身の可能性について「限界がある」と考え、選択肢を狭めているケースがあります。そのためこれらが口グセになっていると気づいた時には注意が必要です。
もしかすると「できない」のではなくて「やりたくない」のかもしれません。もしかすると「不可能だ」と思い込んでいるだけで、障害と思っていることがなくなれば「できる」と思えるかもしれません。〈できない〉〈不可能だ〉と言う言葉が出てきた時には、本来はもっと選択肢があるにも関わらず、選択肢や情報を排除し、自身の可能性を狭めていないかチェックするのが効果的です。
参考記事:可能性の叙法助動詞
⑼ 強制する口グセ
- 〈すべき/すべきではない〉
- 〈しなければならない/してはならない〉
- 〈必要だ/必要でない〉
- 〈当然〜だ/〜でない〉
これらが口グセになっているとき、私たちは必要性に固執し、自らの選択肢狭めている可能性があります。
この背景には物事には「制限がある/ルールがある」という考えが前提にあります。社会の中で制限やルールがあることは自然なことですが「明文化されていないこと」「常識」「当たり前」は人によって、時代によって、コミュニティによって異なります。また過去の体験を一般化して「〜すべき」と自分ルールにしている場合もあります。何について必要性があるのか、ルールがあるのか、これらが口グセになっている場合、自分の選択肢を狭めてしまいます。
言い換え:「べき」を「したい」に
「べき」と言う言葉をシンプルに「したい」と言う自分の願望表現に言い換えると効果的です。
- 人は大事にすべきだ → 私は、人を大事にしたい
- 家族には愛情をかけるべきだ → 家族に愛情をかけたい
- お世話になった人には感謝すべきだ →お世話になった人に感謝している
- 最新にすべきだ → 最新にしたい
- 時間には、遅れるべきじゃない → 私は、時間には遅れないようにしている
- 人に迷惑をかけるべきじゃない → 私は、人に迷惑をかけないようにしている
〜べき(強制)→ 〜したい(願望)
参考記事:必要性の叙法助動詞
⑽ 選択肢を狭める口グセ
- みんな
- 誰もが
- いつも
- 決まって〜する
- 決して〜ない
- 絶対
- 1つも〜ない
- すべて
私たちは「たった1回の出来事」にも関わらず、それを「すべてに当てはまる」というように一般化することがあります。それが選択肢や可能性を狭める場合があります。
これは私たちが物事を認識する働きとして「物事を一般化する」ために起こるので、誰でも、いつも、無意識に行っていることです。ただし、一般化の逆の働きは「例外を無視する」であり、もしくは「適切でない事例を一般化する」ことは偏見や思い込みを生み出す原因です。0か100か、二者択一的な思考に陥ると、柔軟な思考や行動が遠のき選択肢も可能性も失ってしまいます。
「例外があること」や「100%でないこと」に自覚的であることでより客観的・現実的になることができます。
言い換え:使うのが適切か要チェック
- これは必ず失敗する → 私はこれは失敗するのではないかと思っています。
- 彼はいつも正しい/間違っている → 私は、彼は正しいと思っている。
- 彼女は絶対に○○と思っているよ → 私は「彼女は○○と思っている」と思う。
参考記事:普遍的数量詞
(11) 燃え尽きさせる口グセ
- もっと
- より
- 〜の方が
「もっとがんばります」「よりよくしたい」のように比較する言葉が口グセになっていたら要注意です。これらの「比較を表す言葉」を使うときに、その基準や具体的な内容が不明瞭のまま使うと不完全燃焼や達成感を感じられないまま燃え尽きるなどの状態を経験しやすくなるでしょう。
なぜなら「もっと頑張る」だけだと、いつまで、どこまで、どの状態になるまで「がんばるのか」そのゴール地点がわかりません。「よりよくしたい」というのも、何と比べてどこを、どのように「よくする」のかが不明瞭です。これらの比較の言葉を口グセに使い続けてるのは、ゴールのないマラソンを走り続けているようなものです。自らゴールを決めない限り、達成感や充実感を感じることはできません。
*他人とのコミュニケーションにおいても「もっとよくして!」と伝えた場合、受け取り側は「どこを、どのようにすることが、この人にとってよくすることなんだろう?」と余計な思考を使わせます。またミスコミュニケーションの原因にもなりやすいパターンです。比較の言葉を、具体的に分解して伝える力は自分自身への言葉使いだけでなく他者とのコミュニケーションにも大いに役立ちます。
言い換え:5W1Hを明確にする
- もっとがんばります → 今の結果を、1年以内に倍にできるように、毎日○○をやってみようと思います。
- よりよくしたい → 今の資料を、9/1までに、色付きにして、情報量を1/3にシンプル化して見やすくしたい。
参考記事:比較
(12)制限をつくる口グセ
- 常識だよね
- ふつう
- 当たり前
「これって常識だよ」「当たり前じゃん」「ふつうそうだよね」これらの口グセは、あなたの創造性に制限をかけてしまいます。それぞれが「常識・当たり前」と思うことは、日本人全員にとっての「常識」ではありません。あるコミュニティや組織、グループの中で全員が認識し、従っているルールは存在するかもしれませんが、一歩その外に出たらその基準がすべての出来事に当てはまるわけではありません。これらの言葉を自分に向けて無意識に使っていると、常識・当たり前の発想かどうかが無意識に判断基準に組み込まれ、創造性が生まれにくくなっていきます。さらにこれらを人に対して使うと、あなたの「考え」を押し付けることになり相手の自由や創造性に制限をかける可能性があります。
言い換え:「私は」と、自分の考えであることを明確にする
- 「常識だよね」→「 私は、〜だと思う。」
- 「ふつうさ」→ 「私はいつも、〜やっている」
- 「当たり前じゃん!」 →「 え!それをやるのが私は当然だと思ってた!」
参考記事:一般化
(13)自己肯定感を下げる口グセ
- なぜ・どうして
「なんでできなかったんだろう?」「どうしていつもうまく行かないの?」これらの口グセは、あなたの自己肯定感を下げてしまう場合があります。
起こった出来事を知るための「なぜ」と、できなかった理由を探るための「なぜ」では、意図が違います。前者は客観的な原因追求をすることで、未来の改善・対策のために使われます。後者はできなかった原因を理由に自分自身を「責める」ために使われています。これらを混同して使っているとポジティブな効果のために原因探究しているつもりが、ネガティブな効果を引き起こしているという現象が起こるので注意が必要です。
言い換え:「なぜ(Why)」ではなく「どのように(How)」に言い換える
- 「なんでできなかったんだろう?」→どうしたら次はできるかな?
- 「どうしていつもうまく行かないの?」→どうしたら、これまでとは違う結果を出せるだろう?
口グセ改善プロジェクト!
口グセ改善の5ステップ
口グセは無意識に使っているものです。そしてこのクセは、これまでの過去の行動・蓄積が習慣となり、反射的に口から出てくるようになっています。
口グセ改善のステップは5つです。
- NGな口グセを知る
- 自分が、どんな口グセを使っているかに気づく
- NG口グセを使った時に「!」と気づく練習をする
- 気づいたら「今のなし!キャンセル!」と呟く
- それを1年くらい続ける
間違えた数をカウントしない
これまでの習慣を意識的に変えるためには、少しの工夫と忍耐が必要です。口グセは考える前に口から出てしまうものです。習慣ですから。なので「あぁ、また言っちゃった…」と自己卑下や自分を責めることをする必要はありません。それをやると逆効果です。
新しい学習の過程では誰しも「できない」ことに意識が向きがちです。しかしそれは「新しいこと」に挑戦しているので当たり前のこと。そんな時だからこそ意識的にそれを「失敗」ではなく「フィードバック」として捉える視点も重要です。「あ、まだこの練習中なんだな」「お、言う前に気づけるようになってきたな」など自身の変化を「フィードバック」として捉えるのも思考のクセづけです。
参考記事:フィードバックフレーム
1年かかると心得よ
口から出たらシンプルに「あ、今のキャンセル!なし!」と心の中で言う。以上!です。1つの口グセにつき、1000回ほどは必要と思っておいてください。ただ口グセに気づく→「キャンセル!」→「言い換え」を続けていく内に、口グセが変わっています。そして残念なことに、口グセが変わった後にはもう自分では気付けません。
学習の5ステップによると、私たちは学習の過程では「できない」ことに自覚的ですが、一旦「できる」ようになると習得したことに気づくことができないようです。
参考記事:学習の5ステップ
今年は「どの口グセを変えるか?」決めよう
私たちは忘れやすい生き物です。決めたことさえも、忘れてしまいます。そして学習するために努力していることも、できるようになったら気づかずに習慣化されています。
そのため、自分の成長を実感&確認するために書き記しておくことが重要です。この記事を読んで「今年はこの口グセを変えよう」と決めたら、いますぐ毎日見る場所(手帳など)に「何を、どう変えるか?」を書き込んでおいてください。
そして1年の振り返りの際にはそれを見直して、どんな変化があったか自分の変化(ビフォー→アフター)を確認しましょう。
口グセに気づく方法
クセとは無意識に、反射的におこなっていることなので自分で気づくことは困難です。人から指摘されたり、教えてもらうことで初めて知ったということも多いのではないでしょうか。
その中も口グセは、話のプロでなければ自覚的になる機会は限りなく少ないはずです。しかし、私たちが、人生で誰よりも多く・長く聞くのは自分自身の言葉です。そこで口グセ改善のときにはまず自分のクセに〈気づく〉ステップが何より大切です。そのためにできる方法として
- 身近な人に聞いてみる
- 自分の会話を録音してきく
- プロにアドバイスをもらう(コーチングセッションにてサポートしています)
が効果的です。
まとめ
あなたの柔軟性・可能性を狭めるNGな口グセを紹介してきました。
- 自信を失わせる口グセ(やっぱり〜ない・どうせ)
- 情報を遮断する口グセ(でも・だって・いや・しかし)
- 行動力を失わせる口グセ(きっと・たぶん・一応)
- 実現力を阻止する口グセ(〜だといいな・〜であって欲しい)
- 柔軟性を失わせる口グセ(ダメ・ムリ・分からない・知らない・難しい)
- 主体性を失わせる口グセ(〜された・〜のせいで)
- ルートを限定する口グセ(〜なら〜できる)
- 可能性を制限する口グセ(できる/できない・可能/不可能)
- 強制する口グセ(べき・ねばならない・当然)
- 選択肢を狭める口グセ(みんな・絶対・いつも・すべて)
- 燃え尽きさせる口グセ(もっと・より)
- 制限をつくる口グセ(常識・当たり前・ふつう)
- 自己肯定感を下げる口グセ(なぜ・どうして)
一度、いい習慣を身につけると、一生その恩恵を享受することができます。自分にとって効果的な言葉がけが習慣化されることは、何もやっていなくても自然と望む方に歩みを進めてくれる強力なサポーターが常にそばにいてくれるようなものです。
「口グセ改善プロジェクト」はとても地味〜な活動ですが、私自身時間をかけてやってきて本当によかったと思っています。あるとき「あれ?前には悩んでいたことが、なくなったな!」と気づく時が必ず来るはずです。そのプロセスも、楽しんで取り組んでいきましょう♪