用語

合意フレーム | Agreement Frame

合意フレームとは、お互いにとって有益で合意できることは何か?に焦点を当てるフレーム(枠組み)です。

会話の中で、〈しかし/but〉などの人が言ったことを否定する言葉を使わず、〈そして/and〉という肯定&選択肢を広げる言葉を使います。相手に抵抗を起こすことなく、自分のメッセージを伝えることを可能にするコミュニケーション方法の1つ。

名称〈非難〉フレームフレーム
意味お互いにとって有益で合意できることは何か?つまりは調和に焦点を当てる
英語Agreement Frame
Agreement=一致・調和・同意
Frame=枠組み

〈フレーム〉とは

そもそも〈フレーム〉とは、出来事や体験を認識するために私たちが心理的に設ける「枠組み」のことです。「どのフレームから物事を見るか?」によって体験の意味合いは変わります。さまざまなフレームがあることを知り、多数のフレームを使いこなせるようになることで、捉え方の選択肢を増やし視点の柔軟性を高めます。多角的に物事を見るメンタルスキルの1つです。

〈合意フレームフレーム〉は、多数あるフレームのうちの1つです。
最下部に〈主要フレームリスト〉も記載していますので併せてご活用ください。

〈合意フレーム〉の概要

私たちはそれぞれ異なることを信じ、考え、善悪の判断をしています。人はそれらを押し付けられると抵抗を感じ、それに応じて反応・行動をします。それが信頼関係を壊すことに繋がったり、攻撃という反応を引き起こす場合があります。逆に異なる視点を持つ他者同士にも関わらず、お互い信念・価値観が尊重されていると感じられ、信頼関係を保ちながら、有益な合意ができる方法もあります。

合意フレームは、相手を尊重しながら私たちが共有したいメッセージを伝えることを可能にする柔軟なコミュニケーション方法の1つです。相手の考えをコントロールしたり制するのではなく、お互いにとって有益で合意できることは何か?に焦点を当て、前向きに話し合うことに焦点を当てるフレームです。

目的・お互いにとって有益な合意ができること
・対立を回避すること
焦点合意/同意している部分やこと、調和できること
判断基準相手からの抵抗はあるか?その度合いはどれくらいか?

〈合意フレーム〉の前提

  • 私たち1人1人は、独自の世界モデルを持っています。その世界モデルはそれぞれ異なります。
  • 正しさ、善悪、やり方など、自分のやり方を人に押し付けると、相手はそれに抵抗を感じ、それに応じて反応・行動します。
  • 〈しかし・まだ・でも・ただ=But〉など人が言ったことを否定する言葉を使わない。
  • 〈そして・それに・さらに・また・同時に=And〉という言葉を使う。
  • 意見の相違があり、〈しかし/but〉という言葉を使うとき
    • 基本的に人は、反論・否定されたと捉え、傷ついたと感じます。
    • 〈しかし/but〉の後に続く言葉は、反論・否定と認識されます。「私はあなたに同意しません。」と伝えていることを意味します。
    • その結果、抵抗や反発を生み出します。それらが攻撃的な反応、否定的な行動を引き起こしやすくします。
  • 意見の相違があり、相手が〈そして/and〉という言葉を使うとき
    • 基本的に人は、他の選択肢の提案だと捉え、意見を受け取りやすくなります。
    • 〈そして/and〉という言葉は、尊重・同意と認識されます。「私はあなたに(一部/もしくは基本的に)同意しています。」と伝えていることを意味します。
    • その場合、自身の意見が尊重されたと感じ、提案された相手の意見も同じように尊重して受け入れやすくなります。

〈合意フレーム〉の例

  • 会議:「A案がいいと思います。」
    しかし、B案にもいい部分があります。」=Yes & But…
    それと同じように、B案にもいい部分があります。」=Yes & And…

  • 批判的な意見:「これはおかしい。」
    「ご意見ありがとうございます。ただ、こちらとしましては…」=Yes & But
    「ご意見ありがとうございます。そして、こちらとしましては…」=Yes & And...

〈合意フレーム〉の活用方法

  1. 相手の意見を聞く。
  2. 〈しかし・まだ・でも・ただ=But〉という言葉を使わず〈そして・それに・さらに・また・同時に=And〉という言葉を使う。
  3. 自分の意見を伝える。

〈合意フレーム〉の質問例

  • 私たちは、何に合意/同意できるかな?

〈合意フレーム〉の反対

  • 争いフレーム:相手の合意や考え方などは考慮せず(時には否定・反対して)自身の主張を通し実現しようとすること。

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