言い換えフレームとは、相手の話を別の表現や言葉で「言い換える」フレーム(枠組み)です。
言い換えフレームには2つのシーンが想定されます。
- 相手のために言い換える(相手の理解を促す、相手の捉え方に選択肢を与えるため)
- 自分のために言い換える(自分の理解のため、自分の主張をするため)
名称 | 言い換えフレーム |
意味 | 相手の話を言い換える枠組み |
英語 | Rephrase Frame |
訳 | Rephrase=言い換える、言い直す Frame=枠組み |
〈フレーム〉とは
そもそも〈フレーム〉とは、出来事や体験を認識するために私たちが心理的に設ける「枠組み」のことです。「どのフレームから物事を見るか?」によって体験の意味合いは変わります。さまざまなフレームがあることを知り、多数のフレームを使いこなせるようになることで、捉え方の選択肢を増やし視点の柔軟性を高めます。多角的に物事を見るメンタルスキルの1つです。
〈言い換えフレーム〉は、多数あるフレームのうちの1つです。
〈言い換えフレーム〉の概要
相手の話や言葉を、別の表現方法や言葉で言い換えるフレーム(枠組み)です。
〈言い換えフレーム〉の反対
バックトラック・フレーム
相手が使った言葉やジェスチャーをそのまま繰り返したり、要約する枠組み
〈言い換えフレーム〉の種類
言い換えフレームには2種類あります。
- 相手のために言い換える(相手の理解を促す、相手の捉え方に選択肢を与えるため)
- 自分のために言い換える(自分の理解のため、自分の主張をするため)
それぞれ目的やフォーカスが当たるものが異なります。
〈言い換えフレーム〉相手のため
相手の捉え方に選択肢や柔軟性を与えるために、相手の言った言葉を〈言い換える〉ことを言います。
Aさん「すごくモヤモヤする!」
Bさん「成長の機会にぶち当たってるんだね。」
Aさんは最初ネガティブな気持ちで発したかもしれません。しかし他の言葉で言い換えられたことによって異なる捉え方(選択肢)を得ることができます。
(このようにひと言で言い換えることを“ひとことリフレーミング”と言い、視点を転換するメンタルスキルの1つです。)
目的 | ・相手の理解を促す ・相手の捉え方に選択肢や柔軟性を与える |
焦点 | 相手の思考の枠組み |
判断基準 | 相手の選択肢・柔軟性が高まるかどうか? |
〈言い換えフレーム〉自分のため
自分の理解のために、相手の言った言葉を〈自分の解釈で言い換える〉ことを言います。
目的 | 〈A〉自身の理解度合いを確認する 〈B〉自身の解釈を押し付ける |
焦点 | 自分自身の思考の枠組み |
判断基準 | 自分が理解できるかどうか? |
〈A〉効果的な使い方
自己理解のために、相手の言葉を言い換えることによってお互いの齟齬がなくなります。
Aさん「すぐに持って来て!」
Bさん「1時間以内に持っていきますね!」
〈B〉非効果的な使い方
相手の言葉を別の言葉や解釈で言い換えることによって、考え方の押し付けや相手への否定メッセージになってしまうことがあります。
Aさん「これすごく難しい。」
Bさん「そっか、できないんだね。」
Aさんは「難しいけれど、できるようにしたい!」という気持ちで発した言葉かもしれません。しかし他の言葉で言い換えられたことによって、本来伝えたかった気持ちや意味とは異なるものになってしまいました。
同じ言語(日本語)でも、その言葉に込められているニュアンスや意味合いは人それぞれ異なります。その人が選ぶ言葉には意味があります。そのため言い換えるときには注意と配慮が大切です。(バックトラックフレームを参照ください。)