メタモデルにおける読心術とは、(充分な証拠がないけれども)人の考えや感情を読み取ることができるとすること。
名称 | 読心術 |
意味 | 人の考えや感情を読み取ることができるとすること |
英語 | Mind Reading |
訳 | Mind=心、知性、精神 Reading=読むこと、判断、解釈 |
メタモデルの〈読心術〉の歪曲とは
〈読心術〉の概要
コミュニケーションモデルとは
〈コミュニケーションモデル〉という「私たちが世界をどう認識しているのか?」を表したモデルがあります。私たちが思考する、記憶するなどの情報処理プロセスの中で、情報を省略・歪曲・一般化する働きがあります。
メタモデルとは
私たちの情報処理プロセスにおいて、省略・歪曲・一般化は必要不可欠です。しかしこれら3つの機能が効果的に働かない場合があります。すると、私たちは行き詰まり、選択肢を失い、自らの可能性を狭めてしまいます。
〈読心術〉による歪曲とは
私たちは会話の中で、人の考えや感情を(十分な証拠もなく)分かると思い込んでいたり、決めつけていることがあるかもしれません。本来、自分自身のことを「分かる」ことさえ難しいのに、相手のことをすべて分かることははありえません。それと同じようにどんなに長く、深い関係性であったとしても刻一刻と人は変化しているのですから相手が、自分の考え・感情をすべて分かることもありません。
〈読心術〉による歪曲の弊害
〈読心術〉による歪曲のデメリット
歪曲が不適切に行われると、下記のような特徴が現れます。
- 飛躍した結論を出す
- 証拠もなく動機付ける
これらが起こると、相手とのコミュニケーションに齟齬が生まれます。また歪曲している本人が苦痛を感じる出来事が増えたり、問題が発生しやすくなります。下記の〈調整方法〉を理解して活用しましょう。
〈読心術〉による歪曲により失われる情報
相手や自分の内面が、分かると歪曲しているため「客観性」と「何が起こったのか」という情報が失われてしまいます。
〈読心術〉による歪曲を回復させる方法
- 情報を収集する
- 意味づけを明確にする
- 制限を明らかにする
- 選択肢を与える
これらを可能にするのは、自分自身、もしくは相手に〈適切な質問〉をすることです。
〈読心術〉による歪曲の2パターン
読心による歪曲には2つのパターンがあります。
- 【A】自分は、相手の心がわかっていると歪曲する
- 【B】相手は、自分の心がわかっているはずだと歪曲する
【A】「自分は、相手の心がわかっている」歪曲パターン
これは、十分な証拠もなく「他人の考えや感情が分かる」と決めつけている時に起こります。
〈読心術〉による歪曲の例
- あの人は、私のことなんてどうでもいいんだ!
- “こう言っていたんだから、本当はこう考えているんだ。”
〈読心術〉による歪曲を回復させる質問
相手に質問する場合
- どうして○○と分かるの?
- どうして(私があなたの考え・気持ちetc…を)分かると思うの?
ex.「あの人は私のことなんてどうでもいいんだ!」
→「どうして “どうでもいいと思っている”と、分かるの?」
自分に質問する場合
- 何が起こった?その現象を、私はどう解釈したんだろう?
- どのタイミングで「相手はこう考えている/思っている」と歪曲したんだろう?
ex.「あの人は私のことなんてどうでもいいんだ!」
→「どのタイミングで、そう受け取ったんだろう?」
→「本当は、何が起こったことだったかな?」
【B】「相手は、自分の心がわかっている」歪曲パターン
これは他人が「自分の考えや感情が分かる」と決めつけている、もしくは期待している場合に起こります。
〈読心術〉による歪曲の例
- 「私の言いたいこと、分かるでしょ?」
- “私の希望を伝えてあるんだから、それを汲んで動いてくれているはずだ…。”
〈読心術〉による歪曲を回復させる質問
相手に質問する場合
- どうして(私があなたの考え・気持ちetc…を)分かると思うの?
ex.「あの人は私のことなんてどうでもいいんだ!」
→「どうして “どうでもいいと思っている”と、分かるの?」
自分に質問する場合
- 私は、相手に何を理解してもらいたかったんだろう?
ex.私の言いたいこと、分かるでしょ?
→「私が本当に伝えたかたことは、○○です。」
自分が何を望んでいるのかを明確にして、相手に伝える必要があります。