不一致とは、自分自身とのラポールが取れていない状態のこと。具体的には自身の信念・価値観・能力・行動に不一致が生じていて、自分を信じられていない状態のこと。
私たちは〈一致〉の状態も〈不一致〉の状態も、どちらの状態も知っています。そしてどちらの状態も大切な「サイン」です。
名称 | 不一致 |
意味 | 自身の信念・価値観・能力・行動に不調和が生じていて、望むアウトカム実現に対して違和感や不安がある状態のこと |
英語 | Incongruence |
訳 | 不一致、不適合、不調和 |
〈不一致〉とは?
不一致の状態とは自身の内的な要素に何かしらのズレが生じていて、そのエネルギーが分散・散漫、もしくは停滞している状態のことです。そして不一致があるならそれは分かったほうがいいです。気づかない不一致は、自分のチャンスや成功を壊したり逃す要因になります。
〈不一致〉は価値あるサイン
不一致に気づき、それを活かすことはアウトカムを実現させるためにとても重要なステップです。不一致をそのままにしておくこと、気づかないようにしておくこと、気づいても対処しないままでいることは、あなたの可能性とチャンスを壊し、奪う、もっとも厄介で非効果的な選択です。
自身の中で感じる不一致とは、変化がもたらす現象やプロセスに「確信が持てない」「否定的な何かがある」ことを知らせる大切なサインです。不一致の状態や、それを感じることは悪いことではなく「何かが違う」という自身の方向性やあり方についての重要なフィードバックです。不一致に気づくことは、一致していることに気づくことと同じくらい価値があります。逆に、不一致に気がつけないとそこから抜け出すことは困難を極めます。
〈不一致〉の意味
〈不一致〉は以下のことを知らせてくれるフィードバックです。
- 「なぜそう感じているのか」探求する必要がある
- その不一致の「核にあるもの」「原因」は何かを明確にする必要がある
- 情報が必要である
不一致を感じたら、それを一致の方向へと調整する動きが必要となります。
完全なる〈不一致〉は、ない
不一致を感じるのは「悪い」ことではありません。一致するために「何かが必要だ」というお知らせです。このお知らせ、サインは多くの人に共通するものもあれば、個々人でユニークなものもあります。不一致の状態に気づくのは、一致の状態に気づくことと同じだけ重要で、価値あることです。
〈一致/不一致〉のサインをキャッチするためには感覚の鋭敏性が必要で、不一致を感じたときに「どの程度の不一致感か」を掴むことがポイントです。
不一致と一致は、白黒つけるものではなく、自分の感覚でグラデーションのように感じることで気づくものです。私たちが完全に一致、もしくは完全に不一致だ、という状態はほとんどありません。

〈不一致〉の5パターン
自身の内的な要素に何かしらのズレが生じるパターンには5つあります。
- アイデンティティ(自己認識)が不一致
- 信念・価値観(真実だと思っていること、大切にしていること)が不一致
- 能力(戦略含む)が不一致
- 行動(ことば、振る舞い、ボディランゲージ含んだ行動)が不一致
- 環境(自身のいる環境)が不一致
〈不一致〉の例
- 活動をスタートさせたいのに情報が不足していてなかなか動き出せない。(環境の不一致)
- 情報は持っているけれど、具体的にどう行動していいか分からない。(行動の不一致)
- 何をすべきかは分かっているけれど、それが実行できるかどうか分からない。(能力の不一致)
- 何をすべきか分かり、能力も持っているが、取り組む内容に価値を感じない。(信念・価値観の不一致)
- 何をすべきかも分かり、能力もあり、取り組むに値するのはわかっているが、自分らしさに合わない。(アイデンティティの不一致)
〈不一致〉2つのケース
不一致には2つのケースがあります。
- 出来事の結果として起こる場合
- 出来事と同時に起こる場合
⑴ 出来事の結果として起こる〈不一致〉
自分自身の行動の結果、出来事の後に〈葛藤〉や〈後悔〉を感じるとき。思考と行動にズレがある場合です。
- ex.やらないといけないのは分かっているのにやらずに、後で後悔する。
- ex.食べない方がいいと思いながらも深夜に甘いものを食べて、その後気分が悪くなり自己嫌悪に陥る。
⑵ 出来事と同時に起こる〈不一致〉
自分自身の行動自体に、不一致が起こっていることに気づくとき。行動を言語(話すこと)と非言語(表情、声のトーン、態度、振る舞い)に分けたときに、これらにズレがある場合です。
- ex.「いいよ」と言いながら、否定的な態度を示す。→メッセージと非言語にズレがある
- ex.
この2つの異なるメッセージを同時に行うことは「ダブルバインド」と呼ばれます。
〈不一致〉のサイン
自身の内面が一致していない「不一致」のサインは至るところに存在します。多くの人に共通するものもあれば、その人独自のユニークなものの場合もあります。大切なのは、サインをキャッチできる感覚の鋭敏性を高めることと、キャッチしたサインを「どう読みといて、どう対処するか?」です。
重要なのは
- 「不一致」の状態に気づいておくこと
- 「不一致のサイン」を言語化しておくこと
- 「不一致」を感じたら、どう読み解いてどう対処するか?のレシピにしておくこと
〈不一致〉のサイン例
多くの人に共通する一致の状態やサインとして挙げられるのは
- 違和感や抵抗感を感じる
- モヤモヤする・しっくり来ない
- 同意しきれない
- 後ろ髪を引かれる感覚がある
- 気持ちが不安定
- 身体が重く感じる
- 気が重い
- 物事の判断基準が不明瞭
- 腰が据わらない
- 方向性について迷いがある
- しっくりこない、ピンと来ない
- 後ろ髪を引かれる
- 自己嫌悪、自己不信、自己否定の感覚に陥る
- 胃の辺りに違和感を覚える
- 咳が出る
- 声が出にくくなる
- 動きが緩慢になる
- 考えたくないと感じる
- イメージが湧かない、はまらない
- 耳触りが良くないように感じる
- 「でも…」という言葉が出てくる
- 思考と行動が一致しない
- 腹落ちしない
〈不一致〉のサイン一覧
- 身体的なサイン
- 精神的なサイン
- 気持ち・状態からのサイン
- 出来事からのサイン
〈不一致〉と関係性の質
自分自身の状態(一致/不一致)と他人の状態(一致/不一致)によってコミュニケーションや関係性の質は大きく変わります。

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