メタモデルにおける普遍的数量とは、ある1つの例を他の多様な可能性を無視して代表としてみなすこと。具体的には〈みんな〉〈誰もが〉〈いつも〉〈決まって〉〈決して〜ない〉〈絶対〉〈1つも〜ない〉〈すべて〉〈1つ1つ〉などの言葉が使われます。
私たちは会話の中で、数回しか起きていない出来事について話すにも関わらず、一般化して 話すことがあります。しかし本来「例外がある」ことや「100%はない」と気づくことでより客観的・現実的になり選択肢を増やすことができます。
「例外を無視する」「少ない事例を一般化する」現象は、偏見や思い込みを生み出す原因にもなります。「0か100か」「二者択一」的な思考に陥ると、柔軟性を失い、選択肢も可能性も狭めます。
普遍的数量詞による情報一般化の弊害と、その回避&回復方法をご紹介します。
名称 | 普遍的数量詞 |
意味 | ある1つの例を他の多様な可能性を無視して代表としてみなすこと。 |
英語 | Universal Quantifier |
訳 | Universal Quantifier=普遍的数量 |
メタモデル〈普遍的数量詞〉とは?
〈普遍的数量詞〉の概要
コミュニケーションモデルとは
〈コミュニケーションモデル〉という「私たちが世界をどう認識しているのか?」を表したモデルがあります。私たちが思考する、記憶するなどの情報処理プロセスの中で、情報を省略・歪曲・一般化する働きがあります。
メタモデルとは
私たちの情報処理プロセスにおいて、省略・歪曲・一般化は必要不可欠です。しかしこれら3つの機能が効果的に働かない場合があります。すると、私たちは行き詰まり、選択肢を失い、自らの可能性を狭めてしまいます。
私たちの内的な情報処理プロセスの過程で、不必要&不適切に情報が失われてしまう場合(パターン)が12あります。そしてそれぞれにおいて、その情報を回復させるための効果的な質問があります。これら不必要&不適切に情報が失われてしまう12パターンと、それを回復させるための質問を体系化したものをメタモデルと言います。
〈普遍的数量詞〉による一般化とは
私たちは会話の中で
- みんな
- 誰もが
- いつも
- 決まって〜する
- 決して〜ない
- 絶対
- 1つも〜ない
- すべて
- 1つ1つ
というような言葉を使うことがあります。これらは「例外を無視する」「少ない事例を一般化する」現象で、私たちの柔軟性を低下させ、選択肢や可能性を狭めます。
〈普遍的数量詞〉による一般化の例
- これは必ず失敗すると思うよ。
- 彼はいつも正しい。
〈普遍的数量詞〉による一般化の弊害
〈普遍的数量詞〉による一般化のデメリット
一般化が不適切に行われると、下記のような特徴が現れます。
- 一度一般化した内容については、限定的な枠に入れて考える
- 例外を考慮しない
- 思考においては柔軟性に欠けることが多い
一般化の弊害が起こるのは下記のようなときです。
- ある特異な出来事を一般化してしまったとき
- 一般化した後、例外にまったく意識を向けないとき
これらが起こると柔軟性を失い、選択肢・可能性が狭められます。下記〈調整方法〉を理解して、活用しましょう。
〈普遍的数量詞〉による一般化により失われた情報
- 例外がない
と言うことを一般化しています。
〈普遍的数量詞〉による一般化を回復させる方法
- 情報を収集する
- 意味づけを明確にする
- 制限を明らかにする
- 選択肢を与える
これらを可能にするのは、自分自身、もしくは相手に〈適切な質問〉をすることです。
〈普遍的数量詞〉による一般化を回復させる質問
- いつも必ず?
- これまで一度も〜なかったですか?
- 〜なときが一度でもありましたか?
- 絶対に〜ですか?
- すべてですか?
- みんなですか?
- 誰もが?
〈普遍的数量詞〉による一般化を回復させる質問例
- これは必ず失敗すると思うよ。→ いつも必ず?誰もが?
- 彼はいつも正しい。→ いつも必ず?これまで一度も間違ったことはない?