「行動や感情を変えたい。でも、どうすれば?」
そんなときヒントになるのがうまくいく人の”やり方の型を学ぶ”という視点です。NLPの技術は、“モデル”として体系化されています。モデルとは、変化のパターンを言語化・構造化したもの。
優れた人の思考・行動を観察し、再現できる“型”として活用することで、誰でも変化を起こすことができるように設計されています。この記事では、NLPの代表的なモデルと、その日常での使い方を紹介します。実践に役立つ知識だけを、シンプルにわかりやすくお届けします。
NLPモデルとは?
🔰 NLPにおける「モデル」とは?
NLPでいう「モデル」とは、優れた人の思考や行動のパターンを観察し、それを他の人も使えるように構造化した“再現可能な型”のことです。
たとえば、成果を出しているスポーツ選手やセラピスト、ビジネスリーダーのやり方を分析し、「なぜうまくいっているのか?」という仕組みを言語化。その構造を誰でも使える“型”としてまとめたものがNLPモデルです。
NLPは『結果を出している人を観察し、それを他の人が再現できるようにする』ために生まれました。この“建設的な模倣”の手法が、NLPモデルの本質です。特別な才能やセンスではなく、“再現可能な型”として捉えるのが特徴です。天才たちのプログラムを、シンプルにインストールできるよう設計されています。
学びの4層構造
学びにはその効果を最大限発揮するために、理解しておくといい4つの要素があります。私自身の実践を通してそれらの要素を整理してみると、次のような4つの層に分けて理解する方法がしっくりきました。NLPを理解する上でも役立つため、ご紹介しています。
- 前提:学びを加速させ、変化を起こす土台となる考え方
- 基礎:背景となる理論や人物
- 基本モデル:基本となる型
- アプリケーション:実際に状況や目的に合わせて活用するアプリ・レシピ

モデルとアプリケーションの違い
学びの4層構造では「モデル」と「アプリケーション」を分けています。この2つの関係性は料理に例えると分かりやすいかもしれません。
料理には「切る・煮る・焼く・炒める」や「下ごしらえのコツ」など料理の基本があります。この料理の基本が基本モデルにあたります。それをもとに、ある食材、使える時間、食べたいものを考えながらレシピを選び、作り始めると思います。目的に合わせてレシピを選んだように、問題解決や目標実現などの目的に合わせて選ぶのがアプリケーションです。
- 基本モデル:アプリケーションを動かすための基本的な能力
=料理で言うと:切る・煮る・焼く・炒めるや下ごしらえのコツなど料理の基本 - アプリケーション:目的に合わせた問題解決&目標実現のためのレシピ集
=料理で言うと:食材、時間、状況、体調に合わせて選ぶ料理レシピ
この記事では、NLPの「モデル」にフォーカスし自己理解や変化の基本についてご紹介していきます。
代表的なNLPモデル一覧
NLPには本当に多くのモデルが存在します。それぞれのモデルには、人の「思考・言語・行動・感情」の仕組みに働きかける意図があり、目的に応じて使い分けます。ここでは代表的なモデルを6つピックアップして解説します。
1. メタモデル
言語の背後にある思考パターンやクセを明らかにするための質問技法。「なぜそう思うのか?」「具体的には?」などの問いによって、思考の曖昧さを整理し、より本質的な意図を引き出します。
▶︎ コーチングや対話で「気づき」が生まれやすくなる質問術です。
2. メタプログラム
人それぞれが無意識に使っている「情報の取り扱い方のクセ」を理解するのに役立つモデル。「全体を見るタイプ or 詳細から入るタイプ」などのように、注意の向け方や判断の基準は人によって異なります。
▶︎ 他者理解や適職分析、相性診断にも使われます。
3. TOTEモデル(トートモデル)
「Test(テスト) → Operate(操作) → Test(テスト) → Exit(終了)」の頭文字からなる、目標達成や行動プロセスをモデル化したもの。現状とゴールの差分に気づき、行動しながら微調整を加えていく“試行と学習”の循環です。
▶︎ 習慣化・行動設計・問題解決の構造を可視化できます。
4. 表象システム(VAK)
人が世界を理解するときに使う五感(視覚・聴覚・身体感覚)を分析し、優位に使っている感覚を特定するモデル。「この人は“見てわかるタイプ”か、“聞いて理解するタイプ”か?」などの視点から、効果的な伝え方や学び方がわかります。
▶︎ コミュニケーションや学習法に役立つ感覚スタイル分析です。
5. SCOREモデル
問題解決や目標設定の際に、以下5つの視点で状況を整理する枠組み。Symptom(症状)/Cause(原因)/Outcome(望む状態)/Resource(資源)/Effect(影響)
▶︎ 問題の“全体構造”を捉えるためのワークに適しています。
6. ニューロロジカルレベル
人の変化や行動を6つのレベルに分けて捉えるモデル。環境/行動/能力/信念・価値観/アイデンティティ/使命(スピリチュアル)
▶︎ 自己理解・目標設定・人生設計に役立ち、“内的整合性”の確認ができます。
各モデルの用途と強み
NLPモデルは“使ってなんぼ”のものです。たとえばVAKは相手の理解スタイルを知るのに、SCOREモデルは目標設定に適しています。
モデルは“汎用性”と“実用性”が魅力。どのモデルも単独で使うより、組み合わせることで変化を加速させやすくなります。また課題や目標に対して、どのモデルを、どのように取り入れると効果的かが分かってくると行動はどんどんスムーズになっていきます。
使い方のコツは、今自分にとってどのモデルを使うのが効果的か?を知ること。またベースとなる自分の特徴を理解しておくことで、使いやすいモデルが変わります。
“型”より大事な視点とは?
NLPモデルは「役に立つ道具」として使うものです。いつだって「現実」の方が優先されます。対話が“技法中心”になり、本来の目的=つながりや変化の芽を見逃すことも。
また型に当てはめすぎるとかえって相手や状況を「ラベル付け」したり、決めつけにつながる危険性があります。本質を見落としてしまっては意味がありません。
モデルはあくまで複雑な世界を、極限までシンプルにして分かりやすく、使い勝手よくしたもの。ときにはその型を手放し、感覚で人と向き合う柔軟さが求められます。大切なのは、モデルに縛られず“実感”や“変化の兆し”を丁寧に観察することです。
NLPを活かすために必要なこと
NLPを本当に自分のものにするには、“知識として知っている”だけではなく、“体験として使っている”ことが重要です。NLPモデルは目的を実現させるための「基礎能力」のようなもので、コツコツと習慣化して馴染ませておくのが重要です。NLPモデルがしっかりと馴染んでいると、行動が必要になった時にはレシピを選んですぐ対処することができるようになります。
例えば「前提を変えてみる」「視点をずらす」といったことも、実際に日常の中で試してみなければ意味がありません。小さな場面でも構わないので、自分自身で使ってみることで、初めてその変化や可能性に気づけるようになります。
また、誰かに使う前に“まず自分に使ってみる”ことが、NLPの実践には欠かせません。
セルフワークや自己観察を通じて「自分がどんな思考・反応・感覚のクセを持っているのか?」を知ることが、変化の起点になります。実感を伴った「わかる」体験こそが、NLPの本質であり、学びを深める鍵です。
まとめ|NLPモデルとは“変化の型”を使いこなす技術
どんなモデルも“自分の使い方次第。NLPモデルを理解し、自分に合ったものを選べるようになると日常の中で“変化を起こす力”が自然と高まっていきます。最後に、この記事の要点をまとめておきます。
- NLPはまず“自分に使う”ことから始まる実践技術。知識ではなく体験で深まります
- NLPモデルとは、優れた人の思考・行動パターンを再現可能な「型」にしたもの
- 自己理解・行動変容・対話の質を高めるために応用可能です
- 代表的モデル6種(メタモデル・VAK・SCOREなど)は、目的別に使い分けが可能
- モデルは「道具」であり、相手の本質を見極めながら柔軟に使うのがコツ
- 自分の“変化のクセ”を知ることで、自分に合ったモデルが見えてきます
「どれを使えばいい?」ではなく、「どんな自分に今なっている?」という視点から選んでいくことで、NLPモデルはあなたの可能性を開く道具になります。
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NLPモデルは、先人たちの思考や行動の“型”をパッケージ化したもの。
感覚や直感だけに頼らず、再現性のあるアプローチで変化を起こすことができます。
あなたの中にある可能性を、効率よく引き出すヒント。
それが、NLPモデルの持つ力です。
変化を加速させたいとき、きっと心強いツールになってくれるはずです。
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