信念とは、個人の考え方のこと。正しいと信じる自分の考え。
名称 | 信念 |
意味 | 「正しい」と信じる自分の考えのこと |
英語 | Belief |
訳 | 信じること・信念・確信・信仰・信条 |
信念とは?
信念とは、私たち1人1人が「信じていること」のすべてを指します。これは個々人異なり、信念がその人の行動の基本原則となっています。
信念とは
- 本当だと思っていること
- 正しいと思っている考え
- 日常生活の基礎として用いている考え
- 前提として捉えていること
- 行動の原理原則として用いているルール
- 現実に関する「もっともらしい」推量
- 思い込み
これらの総称を言います。
この信念は、私たちの人生を方向づける重要な概念です。何を評価・判断し、どのように行動するかに関してをこの信念が決定づけています。また、信念は「自分が信じること」であり「現実・現象」ではありません。そのため、信念と現実を混同することで、苦悩や問題が生じます。
信念の種類
私たちはあらゆることに関して信念を持っています。
- 他の人や社会に関する信念
- 自分自身に関する信念
- 人間関係に関する信念
- 可能なことに関する信念
- 私たちができることに関する信念
信念の特徴
信念は出来事をフィルタリングする
信念は、出来事を解釈するフィルターの役目を果たしています。
出来事は信念によって解釈され、当てはまらないことは例外として省略されます。自分が信じることについては意識が向き、そうでないものについては省略してしまうため、今ある信念が自分にとって効果的であれ、非効果的であれ、自分が持つ信念を強化し続けます。
ex.「私は人間関係がうまくできない」という信念
- 「うまくいかなかったこと」に意識の焦点が当たり
- 「うまくいっていること」は意識から省略されます。
本当はそうであってほしくないと思っていたとしても、この信念を持っている間はまた「うまくいかないこと」を想像するので、自ら他者を遠ざけるように振る舞い、さらに信じていることを引き起こします。
ex.「私はあたたかい人間関係を築くことができる」という信念
- 「あたたかい人間関係」に意識の焦点が当たり
- 「それ以外の人間関係」は意識から省略されます。
自分にとってあたたかいと感じられる人間関係だけに焦点が当たり、そうではない人間関係には自然と深入りしません。なぜなら目に入らないか、もしくはしっくりこないからです。あたたかい人間関係が前提なので人に対してオープン&ナチュラルに接するように振る舞いが変わり、この信念をより強固なものにしていきます。
信念は変化する
信念は変化し、発達します。また自ら変化させ、発達させ、選ぶことも可能で何度でも選び直すことができます。
信念は現実そのものではありません。信念は自分が信じている「真実と思っていること」です。そのため、信じていることがよい結果をもたらさないのであればそれを変えることができます。これまで保持していた「信念」を明確にし、その代わりにより望ましい信念に変えることは、いつからでも、どんなことに関しても取り組むことができます。
信念は行動に影響を与える
私たちは何かを信じるとき、それが「真実・真理」であるかのように振る舞います。出来事はすべて信念というフィルターで解釈され、その枠に当てはまらないことは例外とみなされ無意識に省略されます。信念が変わるとその枠組みが変わり、行動は変化します。
ex.「私はできる!」という信念 → 自信たっぷりに振る舞う
ex.「私はできない」という信念 → 不安な振る舞いになる
このようにプラスの信念は、行動を許可し、動機付け、能力を引き出し、結果をもたらします。マイナスの信念は、行動を禁止し、気持ちを抑制し、能力を制限します。行動を許可するのも、禁止するのも「信念」の影響を受けています。
信念による行動の正当化
行動は信念を維持させ、強化する働きがあります。
私たちは、信念に沿った行動をします。その行動の結果として、自分自身の一貫性を保つために「信念が正しかった」と思われる情報だけを無意識に受け取ろうとします。それ以外は例外として省略するのです。つまり「自分の信念を強化する行動の結果」に焦点を当てて、信念を維持・強化するとともに、自分を正当化する力が働きます。
信念は、本人が意識的に「変えよう」と思わなければ、いくら証拠があったとしても変えるのは困難です。そのため自身の信念に意識的になり、定期的な内省や、外部からの客観的フィードバックを受ける機会を持つことが重要になってきます。
信念と不毛な思い込み
私たちは何かを信じる時、それが「あたかも真理である」かのように振る舞います。しかし信念は、個々人異なるためそれは「真理」ではありません。もしも証拠、客観的な情報があったとしても、信念に沿わない場合そちらを例外として捉え、信念の方を「現実」として信じ続けます。
信念を変化させるポイント
信念は本来「自然と変化するし、自らの選択で変えられるもの」ですが、それを理解していない場合、戦略的に変えることは困難です。いくら証拠があっても信念を変えることはできません。逆にこれらを理解し取り組めば、信念は簡単に選び直すことができ、目的に合った行動や、自身の価値観に合った選択をスムーズにしていくことができます。
- 信念は「現実に起こっていること」でなく自分が「信じていること」であることを理解する
- 信念は「変えられる」「変わる」ことを知る
- 信念を「変える決意」をする
関連
ワーク
信念を変換するテクニック
- ビリーフチェンジ
- リ・インプリンティング
- 信念のアウトフレーミング
- 対立する信念の統合